【インタビュー】千葉雄大×鈴木拡樹、垣根を越えた共演に「すごく素敵なこと」

引用元:cinemacafe.net
【インタビュー】千葉雄大×鈴木拡樹、垣根を越えた共演に「すごく素敵なこと」

2018年に公開された北川景子主演の映画『スマホを落としただけなのに』は、「スマホ」という身近なアイテムが引き金となり恐怖を呼び寄せる展開、あっと驚く犯人との心理戦が評判を呼び、興行収入19.6億円というヒットを飛ばした。そして2020年冬、満を持して続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が公開される。

【写真】千葉雄大&鈴木拡樹撮り下ろしカット(全21枚)

主演に抜擢されたのは、前作で成田凌演じる浦野善治との激しい対決シーンが話題になった刑事・加賀谷学役の千葉雄大。今作では、新たな殺人事件を捜査するにあたり、自分が逮捕した浦野と奇妙な“共闘”関係のような間柄となり、物語の軸を担う。そして、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』からは、白石麻衣、鈴木拡樹、音尾琢真、江口のりこ、奈緒、井浦新など強力かつ豪華な共演者が顔をそろえた。

シネマカフェでは、千葉さん&鈴木さんにインタビューを実施。「撮影以来の再会」とは思えぬほど、話が尽きない様子のふたりは、ときに真剣に、ときに冗談も交えつつ、戯れ合ってくれた。

初共演の千葉雄大&鈴木拡樹、お互いの印象は…

――初共演ですが、お互いの印象はいかがでしたか?

(見合って微笑むふたり)
千葉:人見知りですか?

鈴木:人見知りです! お互い…なんか、わかりますよね。

千葉:察しちゃいますよね(笑)。鈴木さんはすごく優しいし、本当に穏やかで、ひとつ、ひとつの行動が全部ジェントルマンなんですよ。さっきも取材場に入ってくるときに、「どうぞ」と僕に譲ってくださったり。

鈴木:作品の顔なのでね! 先に行ってもらいました!

千葉:…作品の顔、でした(笑)。

鈴木:(笑)。僕もありますよ。体育館を借りて撮影していたとき、現場の空気感がわからなかったので、立っていろいろと見ていたんです。すかさず、千葉さんが「椅子があるので、座ってください」と声をかけてくれて、めちゃくちゃジェントルだなと思いました。僕も含め、毎日いろいろな役者さんが来るじゃないですか。そういう人たちにも「いやすい環境を」と考えてくださっているんだろうなと、すごく感じました。

――違うフィールドの第一線で活躍されているおふたりですが、お互いに「ここ、いいなあ」と思う部分はありますか?

千葉:えっと…苦手な人とかって、いますか?

鈴木:苦手な人…思い当たらないですね! 「えっ」と驚くことはあっても、一周考えると受け入れられたりするんです。

千葉:なんか、そういうことなんじゃないかな、と思っています。僕は苦手な人に対して、「何で苦手なのかな」と好きなところを見つけるようにするんです。すると「いい人だったな」と思う瞬間もあるので、鈴木さんに共感するところもあるけど、基本、僕は「本当に苦手だな」と思っちゃうんです(笑)。

鈴木:(笑)。

千葉:僕は結構波があるけど、鈴木さんはニュートラルな感じがして、そこが本当に素敵ですし、リスペクトです。

鈴木:いやあ、ありがとうございます。千葉さんに関しては、もう圧倒的な癒しの力じゃないですか?

千葉:へえ~!

鈴木:千葉さんのいないところで、「千葉さんって」という話をしたとき、一番最初に頭に思い浮かぶイメージが、笑っている顔なんですよ。これって強いなと思うんです。笑顔が印象的なのもありますけど、好印象を抱いている人だからこそ、笑顔が頭の中に再現されるんだろうなと思って。すごい力ですよ。共感できる人、多いと思います。

千葉:初めて言われました、ありがとうございます(照)。

映像から舞台、舞台から映像へ「垣根みたいなものって、ないほうがいいと思う」

――加賀谷と笹岡のシーンについては、話せることもあったり、なかったり…という感じですよね。

千葉:そうなんですよね。割と、こうした取材でお話できないようなシーンでご一緒することが多くて(笑)。

鈴木:確か僕たちが一緒の初日が、WEBセキュリティ会社を起業する前の写真を撮るシーンだったんです。1時間くらい前に千葉さんと「はじめまして」と言い合っていたのに、「いきなりここ!?」という(笑)。

千葉:本当ですよね! 「スキンシップ多めで」とか言われましたよね。

鈴木:でも千葉さんは構えない状態でいてくれたので、何だか自然とやれました。

――鈴木さんは本作から参戦なわけですが、周囲の反応など、いかがでしたか?

鈴木:今日にいたるまで、周りの反応としては「えっ、出るんだ!?」という驚きが強かったと思います。あとは、皆さん、口をそろえて「犯人なんでしょ!?」と(笑)。

千葉:(笑)。

鈴木:こうした作品において、「答えると一番面白くないじゃん!」…っていうのをずっとやってきました(笑)。なので、公開されたらいよいよ解放されるというか、ホッとする自分もいますね。それに「それだけ気になるなら観てください」という感じで、いい宣伝です!

千葉:鈴木さんの出ているシーンって、後から観直すと、その演技にハッとさせられるような、絶妙な、曖昧な表情があって。いち観客として、すごくグッときました。

鈴木:うれしいです。

――千葉さんは、鈴木さんの出演を知ったとき、どう感じていたんですか?

千葉:僕、垣根みたいなものって、ないほうがいいと思っているんです。舞台をやっているとか、声優さんであるとか。逆もしかりで、映像をやっている人が舞台に出る、とかは「新しい試み」と大きなものとして捉えられがちだと思うんです。けど、いち表現者としては、そうやって行き交うのはすごく素敵なことだと考えているので。

――凝り固まらずにジャンルを決めなくていいんじゃないか、というお話ですよね。

千葉:そうです。だから…すごくおこがましいけど、僕は鈴木さんも鈴木さんとして(見ている)というか、「よろしくお願いします!」という感じでした。逆に、僕が舞台をご一緒させていただくとなったら、めちゃくちゃ「ついていきます!!」という感じになっちゃうと思うんですけど(笑)。舞台でも、ぜひご一緒したいです。

鈴木:もちろんウエルカムです! 僕もいまのお話、すごく共感します。垣根なくいきたいですよね。

――鈴木さんは、今後、映像作品に出演するとしたら「こんな役をやりたい」など、ありますか?

鈴木:普段、舞台が多いのと、エンタメ性が強いテイストの作品が多いので、なかなか普通のサラリーマン、IT企業の社長、ましてや父親なんて、演じたことがないんです。映像に出られるなら、そういった今までやっていない役柄を演じてみたいな、と思いますね。

「今までの千葉くんとは少し違った一面」北川景子からのメールに感激

――千葉さんは、本作にて単独初主演(※全国規模)となりました。うれしさ、プレッシャーなど含め、どんな気持ちでしたか?

千葉:プレッシャーがまったくなかったと言えば、うそになってしまうかもしれません。こうしたミステリーや重厚感のある作品は、僕の悪い癖で、結構ひとりで考え込んでしまうところがあったんです。

けど、例えば、成田(凌)くんはフランクなスタイルでどんどん崩してくれたり、ひとりひとりが「こうしたほうがいいんじゃない」という意見を出し合って作っていった現場だったので、僕もその一端として、みんなで作っていく心構えで臨めました。

僕は手放しに「楽しい」のがすべていいかと言われると、そうじゃないと思っていて。難しいところでも、作品はみんなで作るものだと思うので、そうやって作っていけば、いい意味で肩の力が抜けて、好きなことができると思っています。

――前作の主演だった北川景子さんと、本作についてお話したりもしましたか?

千葉:お会いしたのは撮影でご一緒するときだったんですけど、クランクインする前に「明日からだね、頑張ってね!」という激励のメールをいただいて、すごく励みになりました。完成したものをご覧になった後も、すごく長い文章で感想をいただいたんです。細かく「あのシーンが~」みたいなことも書いてありましたし、「いままでの千葉くんとは少し違った一面が、この作品に出ていると思う」とおっしゃっていただいて…。

自分では「新境地」とかの気負いはなく作品に臨んだんですけど、そうおっしゃっていただいたのは、素直にすごくうれしかったです。作品をやる上でも励ましていただきましたし、こうやって宣伝をさせていただく前にも力をくれて、本当に大尊敬です。