通信教育発「しまじろう」、“子どもと一緒に成長”するキャラクターが30年愛された理由

引用元:オリコン
通信教育発「しまじろう」、“子どもと一緒に成長”するキャラクターが30年愛された理由

 ベネッセの幼児向け教材〈こどもちゃれんじ〉発のキャラクターとしておなじみの「しまじろう」。映画『しまじろうと そらとぶふね』の公開を控え、キッズパーク『しまじろう シーパーク』も3月に開業予定であるなど、ますます盛り上がりを見せている。88年の誕生から30年以上経つ今も変わらず、多くの子どもたちの心をとらえ、愛され続ける「しまじろう」のキャラクター戦略や時代の変化に応じた変遷などについて、〈こどもちゃれんじ〉キャラクター開発部部長の大久保瑞恵さんに聞いた。

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■「しまじろう」は先生でもなければ、お兄ちゃんでもない、「自分と同じ」等身大の存在

 進研ゼミの幼児版として1988年に開講した〈こどもちゃれんじ〉(※開講時の名称は異なる)。そのキャラクター「しまじろう」の誕生のきっかけについて、大久保さんはこう話す。
 「当時は早期教育が流行っていて、先取り教育が注目されていた時代でした。しかし、弊社ではそうしたスタンスではなく、『子どもの成長に合ったものを作ろう』と考え、早期教育の危うさを訴える専門家の先生にご相談し、監修をしていただいて、子どもの発達に合わせた〈こどもちゃれんじ〉を作ったのです。と同時に、子ども向けのキャラクターとして作られたのが『しまじろう』でした」

 対象年齢は0歳から入学前まで。乳幼児期が必ず触れるキャラクターはいろいろあるが、通信教材としての「しまじろう」の場合、他のキャラクターと大きく異なるのは、「子どもと一緒に成長していくこと」(※映画やテレビアニメでは年中さんの年齢で固定)。また、そうした時期の子どもたちにとって、「しまじろう」が担う役割は、「バディ(友達)」であるということだという。

 「キャラクターには、先生役やライバル役、自分より小さい存在など、いろいろあると思うんですが、しまじろうは先生でもなければ、お兄ちゃんでもない。子どもたちが『自分と同じ』と思える、等身大の存在なんです。子どもにとっての自分って、本当の自分よりもちょっとかっこよかったり、ちょっと出来る自分だったりするんですよね。だから、最初は『等身大だけど、ちょっとだけ憧れる存在』として、発達が進むと『自分も頑張ろう』と思えるライバルとして伴走できるよう、設定しています」

 また、保護者から多いのは、「しまじろうがいてくれてよかった」「助かった」という言葉だとか。
「しまじろうが親子の間に介在することによって、『ほら、しまじろうも頑張っているよ』という声掛けだけで、ちょっと頑張れたり、伝えなければいけないことが子どもにとって抵抗なく伝わったりするところが大きいのではないでしょうか」