もう一度みたいあの“艶技” 「若尾文子映画祭」28日から東京角川シネマ有楽町で 公式写真集も同時発売

引用元:夕刊フジ
もう一度みたいあの“艶技” 「若尾文子映画祭」28日から東京角川シネマ有楽町で 公式写真集も同時発売

 いまなお熱烈なファンがいる女優、若尾文子(86)。28日から角川シネマ有楽町(東京都千代田区、4月2日まで)でスタートする「若尾文子映画祭 私のすべてを見せてあげる」で貴重な作品が再び銀幕でよみがえる。大阪では4月18日から「シネ・ヌーヴォ」(大阪市西区)で開催。

 2015年にも特集上映はあったが、今回は世界初の4Kデジタル復元版「刺青」(1966年)が目玉。そのほかにもDVDやBDになっていない作品の初デジタル化がずらり。つまり珍品ぞろいということだ。

 「刺青」は谷崎潤一郎の原作を妖しくも悲しい物語に名匠・増村保造監督が仕上げている。背中に女郎グモの入れ墨を入れられ、女に目覚めていくお艶の物語は、燃え上がる女の性を描く。

 今回のラインアップは全41作。「珠はくだけず」「その夜は忘れない」「雁」「実は熟したり」などファンならもう一度見たい作品ばかりがデジタルでよみがえったのだからたまらない。

 「赤線地帯」(溝口健二監督の遺作)、「しとやかな獣」や「女は二度生まれる」の川島雄三監督作品といった傑作ももちろん上映。

 多くの名匠に愛された若尾。今では考えもつかない引っ込み思案だったという若いころのあだ名は「石仏」。それが巡業で仙台に訪れた長谷川一夫に出会ったことから女優をめざして上京。東映第5期ニューフェイスに合格、「死の街を脱れて」(52年)でスクリーンデビューしたことは知る人ぞ知る。

 しかも公式写真集が公開日に合わせて発売されることになっている。名女優は世のオジサンたちにとって永遠のミューズでもあるということだ。(望月苑巳)