池上彰が「Fukushima50」トークイベント

池上彰が「Fukushima50」トークイベント

 ジャーナリスト、池上彰氏(69)が19日、東京・千代田区の神楽座で行われた映画「Fukushima50」(若松節朗監督、3月6日公開)のトークイベントに登壇した。

 2011年3月11日の東日本大震災。東北地方を襲った未曽有の災害によって、福島第一原子力発電所も非常事態に陥った。史上最大の危機に立ち向かった50人のドラマ。俳優、渡辺謙(60)、佐藤浩市(59)ら豪華キャストが、決して風化させてはいけない真実を描く。

 実際に福島で取材を行った池上は、「海外メディアで50人。実際は69人。『具体的に何があったのか』『断片的に放送されていたのは、こういうことがあったのか』と事実の確認が改めてできたと思う」とあいさつ。 「東京まで半径250キロ。福島第2からも撤退することになった場合、私たちはここに住んでいなかった。あの人たちが頑張ってくれたおかげで、私たちは東京で日常生活を送れる。(止められなかったら首都圏の)4000万人が国内避難民になっていた」と危機に挑んだ関係者たちの勇気をたたえた。

 震災では米軍が「トモダチ作戦」で日本を支援。本作でも実際の米軍が撮影に協力したという。同軍が日本映画に協力するのは史上初で、ヘリコプターの撮影時には「『一機、何分間いくらのガソリン代』、終わったあとにその場でクレジットカードで切ってくれ」といわれたと撮影の裏側を制作関係者が明かした。

 池上は現在問題になっている「コロナウイルス」にも言及。「ダイヤモンド・プリンセス号内で感染を広げないように活動している人がいて、あの中で感染した人がいる。私たちの分からないところで、自分の任務を果たそうとして一生懸命やっている人がいる。頑張っている人への思いをはせてもらえれば」と尽力する関係者への感謝の意を口にした。