「コタキ兄弟」主演の古舘寛治 高評価の演技はリアルか“大根”か

「コタキ兄弟」主演の古舘寛治 高評価の演技はリアルか“大根”か

 高視聴率ドラマだからといって視聴者の満足度も高い、というわけじゃない。

 たとえば、初回(1月11日放送)に視聴率13%台を叩き出した天海祐希(52)主演の「トップナイフ―天才脳外科医の条件―」(日本テレビ系)。「Yahoo!テレビ」の視聴者の評価は5点満点で2・67点(2月14日現在)。5点をつけているのは約2割だ。

 その一方で、テレビ東京系の深夜ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」は4・37点(同)。7割以上が5点を与えている。視聴者の満足度は高いというわけだ。

「業界内の評価も1月期のドラマの中で一、二を争いますね」(ドラマ制作会社関係者)

「コタキ兄弟」は“バイプレーヤー”で知られる古舘寛治(51)と滝藤賢一(43)がダブル主演。融通が利かない未婚の元予備校講師の兄(古舘)と、無職で結婚したお調子者の弟(滝藤)の2人が、ひょんなことから1時間1000円の「レンタルおやじ」を始め、むちゃな依頼に“四苦八苦”するという、ペーソス交じりのコメディー。“大人のドラマ”だ。

「古舘さんと滝藤さんが『2人で何か一緒にやろう』と2、3年前から企画を温めてきたそうで、古舘さんの気合の入れようはハンパない。20代の頃にニューヨークで演技を学んだ古舘さんは、徹底してリアリティーにこだわるタイプ。『コタキ兄弟』の独特のセリフの“間”も、全て計算されたものだそうです」(テレビ誌ライター)

 古舘本人は、写真週刊誌「FLASH」(2月25日号)のインタビュー記事で、〈フィクションの中で、その人間が実際に生きているように見える。それが、僕が目指している演技なんです〉と話していた。

 徹底してリアリティーにこだわる演技法は「古舘メソッド」と呼ばれるらしいが、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は「リアルというより、個性が際立っていますよね」と、こう続ける。

「確かに『コタキ兄弟』に出てくる古舘さんの風貌は、そこら辺にいそうな“ひなびたオジサン”ですが、声質も動きも個性的で、現実にはいそうもない。正直、独特のセリフの間もリアリティーは感じません。古舘さんの演技は、視聴者にはうまいのか下手なのか判断がつかないはず。だからこそ強く印象に残るし、自分流の演技を貫いてきたからこそ、バイプレーヤーの地位も確立できたわけです。古舘さんの真骨頂は、リアリティーの向こう側にある」

 いずれにせよ「古舘メソッド」うんぬんは“内輪ネタ”。視聴者にとってみれば、面白ければそれでいい。「4・37点」という数字が、全てを物語っているだろう。