『アナ雪2』アニメーション・スタッフが語るアナ&エルサと魔法の世界のつくり方

引用元:Movie Walker

11月22日に公開され、10日間で興収43億円超というディズニー・アニメーション史上No.1の大ヒットを記録している『アナと雪の女王2』。物語の舞台は前作から3年後。不思議な声に導かれて旅に出たエルサとアナが、触れたものを凍らせるエルサの力の謎や姉妹の知られざる過去に迫っていく。

【写真を見る】森を歩きやすいように裾が短くデザインされたエルサのドレス

監督のひとりであるジェニファー・リーが、「過去を発見し秘密を暴くミステリー」と語る本作。大ヒット作の続編に挑んだ監督やスタッフたちの証言から、姉妹の新たな冒険の裏側をのぞいてみよう。

 

■ エルサの衣装は裾のラインと素材が変化

「エルサの衣装はできるだけ彼女のシルエットを保とうとした。映画の大半で彼女が森を通って行けるように裾のラインを地面からもち上げなければいけなくて、それは大きな変化ね。最初の場面は女王の仕事をしているように見せるために少し真面目な感じの重い素材の服で(第1作から)時が過ぎたことを観客に知らせようとしたの」●ブリタニー・リー(ビジュアル・ディベロップメント・アーティスト)

 

■ アナの旅行用の服は122番目のデザイン

「アナの衣装は間違いなくブナッド(ノルウェーの伝統衣装)からインスパイアされているわ。映画の舞台はアレンデールだから、それにおとぎ話のテイストを入れているの。彼女の旅行の服は、すごくたくさんのバージョンをつくった。最終的なデザインは122番目のものよ」●グリセルダ・サストロウィナタ・ルメイ(ビジュアル・ディベロップメント・アーティスト)

 

■ 森の表現はリアリスティックに

「魔法は森の形そのものよりも、森の中で起きることだと思う。おとぎ話に登場する多くの魔法の森には、もっと曲がりくねった木や枝があったりするけれど、僕らは少し違うものにするためにこの方向性に進んだんだ。(映画全体で)何かが起きると信じられる、リアリスティックなひとつの世界にできたと感じているよ」●デヴィッド・ウォムスリー(アート・ディレクター・エンバイロメント)

 

■ “できない”制約がオラフをつくり出す

「第1作で私たちはオラフの腕を曲げてはいけないと決めた。なぜなら、木の枝だからよ。夏の夢のシーンでは曲げるけど、ほとんどの場面で腕はまっすぐなのがルール。それはとても難しくて、もし頭がかゆくても人間のようにはかけないの。ではどうする? そうした制約がある意味、オラフのキャラクターをつくり出し、明確にするのよ」●ベッキー・ブレシー(ヘッド・オブ・アニメーション)

■ メイン楽曲に込められたメッセージ

あらゆる部署が関わり、同時に作業を進めたという劇中歌「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」のシークエンスに込めたメッセージについて。「思い切って信じること。『どこに入り込んで行こうとしているのか分からないけど、やらないといけないことがある。やる必要のある何かがある。自分が本当は何者かを見つけるために』ということなんだ。それは多くの人々の心に訴えると思う」●クリス・バック監督

■ 新たなキャラクターたちを生み出す

「本作には“水の馬”やエルサが目覚めさせるという精霊などの新キャラクターも登場する。「たくさんのスタッフが協力し合ったチャレンジングなキャラクターたちがいたの。例えば“水の馬”は製作のごく初期からミーティングを始めた。さまざまなアイデアを取り入れながら進めていったの」●ベッキー・ブレシー(ヘッド・オブ・アニメーション)

■ 秋の森でも際立つ色相に

「特に色に関して、秋という環境をよく考えなければいけなかった。とても彩度が高い(紅葉の)森の中でもキャラクターがよく見えるように、私たちは“中立的な”アプローチをとることにした。アナにはとても暗い黒の色相があり、エルサは薄い、ほとんど無彩色の色相なの。だから全ての色の上で彼女たちは目立つのよ」●ブリタニー・リー(ビジュアル・ディベロップメント・アーティスト)

■ 全身全霊をキャラクターに注入

「ラッシュを見せる時、ジェニファー・リー監督はよく立ち上がって、彼女が情熱を感じているものを演じてみせるの。私はお気に入りのアナを担当していて、いつも職場で飛び跳ねたり、奇妙なダンスをしている。私たちは全身全霊をキャラクターに入れ込んでいるのよ」●ヒュン・ミン・リー(アニメーション・スーパーバイザー)

 

12月8日(日)にはIMAX劇場25館にて迫力あるサウンドをアナ雪風のファッションで楽しめるIMAXファッションDAYを開催!さらに12月13日(金)からは応援上映も実施スタート。『アナ雪2』旋風がますます加速するなか、これらの舞台裏を知っておけば、同作をさらに楽しく鑑賞できるはず!(Movie Walker・文/サードアイ【DVD&動画配信でーた編集部】)