ドラマのエンディングダンスがブームに 制作側にも“おまけ”以外の狙いが

ドラマのエンディングダンスがブームに 制作側にも“おまけ”以外の狙いが

【テレビが10倍面白くなるコラム】

 日本テレビ系ドラマ「トップナイフ―天才脳外科医の条件―」(土曜夜10時)のエンディングのダンスが、ちょっとしたブームになりそうだ。シリアスなラストシーンからガラリ画面が変わり、脳神経外科の医師や看護師ら主な出演者十数人が、主題曲に合わせておしゃれに踊る。

 主演の元宝塚トップスターの天海祐希はもちろんだが、新人医師役の広瀬アリスもスピード感あふれるキレのいい踊りを披露していて、真似して踊りたいとユーチューブにアクセスが集中する人気なのだ。

 しかも、ストーリーの進行に合わせて、毎回少しずつバージョンが変化していて、その違いを探すのも楽しみと、見逃せない仕掛けになっているのも心憎い。

 ドラマの出演者たちが踊るエンディングは以前からあって、やはり天海が「女王の教室」(日テレ系)で踊って注目された。その後も、「マルモのおきて」(フジテレビ系)で鈴木福と芦田愛菜の「マル・マル・モリ・モリ!」、「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の星野源と新垣結衣の恋ダンスはNHK紅白歌合戦に出場した。

「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」(テレビ朝日系)では剛力彩芽がセクシーに踊り、「大富豪同心」(NHK)は歌舞伎役者・中村隼人やベテラン竜雷太のお座敷踊り風の振り付けが粋だった。

 エンディングダンスは余計な予算も手間もかかるが、制作サイドは決しておまけで作っているわけではない。

「まず、必ず話題になるから本編の視聴率を押し上げ、ダンスを覚えようとして録画視聴も増えます。いまは、ドラマはどれだけ録画して見られているかも、評価のひとつなのです。また、エンドロールが流れ始めるとチャンネルを替えられてしまうのですが、ダンスで引き留めることができます。これは広告スポンサーが喜びますよ」(番組制作会社プロデューサー)

「トップナイフ」のダンスをカッコよく踊るには、ステップよりも手の動きに注意するといいらしい。前半は腰の動きに合わせて大きく動かしてビシッと止めるメリハリ、後半はひらひらと振って楽しさを演出するのがコツだそうだ。さっそくカラオケでやってみる?

(コラムニスト・海原かみな)