古市憲寿さん、米国のセクハラ告発映画に「日本では、ただニュースを伝えるきれいな人が求められる」

引用元:スポーツ報知

 社会学者の古市憲寿さん(35)と元TBSでフリーアナウンサーの宇垣美里(28)が14日、都内で映画「スキャンダル」(21日公開)の公開記念イベントに出席し、映画でも描かれているセクハラ問題などについて語った。

 シャーリーズ・セロン(44)、ニコール・キッドマン(52)、マーゴット・ロビー(29)が共演する同作は、2016年に米FOXニュースの女性キャスターたちが同社CEOのセクハラを告発したスキャンダルを描く。アカデミー賞では3部門にノミネートされ、日本出身のカズ・ヒロさんがメイクアップ・ヘアスタイリング賞を受賞したことでも話題になった。

 古市さんは「現在進行形で日本でも起こってますよね。サラリーマンの方が夜家に帰ってきて見るニュース番組のキャスターは大体女性だし、自分の意見を言う人ではなくて、ただニュースを伝えてくれるきれいな人を求めている」と指摘し、「リベラルと言われてるメディアでもパワハラがありふれているのを知っているし、この映画を見てあまりショックを受けず、これってよくあることだよねって思っちゃう人が日本には多いのかなと思ってしまいました」と語った。また「パワハラとセクハラは同時に起こることは多い。権力者が下の人たちを競わせる時、セクハラは起こりやすくなります。さらにセクハラを受けたけれども、そのおかげで恩恵を受けていた人が批判されることがある。そもそもの仕組みが悪いのに、声を上げるとバッシングされてしまうリスクがあるなと思います。でもやっぱりその中で声を上げることが大事ですよね」と分析し、「基本的には当事者の問題。第三者が糾弾することはバランスを変えてしまうと思います。みんなでちょっとずつ意識を変えて、ハラスメントをしても得しない仕組みを作っていく必要がある。スマホも普及して、記録、録音、録画もしやすくなったこともハラスメントを減らすことにつながるのでは」と呼び掛けた。 報知新聞社