ドラマで“変態ドMキャラ” 速水もこみちは俳優の殻を破れるのか

ドラマで“変態ドMキャラ” 速水もこみちは俳優の殻を破れるのか

 いま“ドS”キャラで世の女性の心を掴んで離さないのが、俳優の佐藤健(30)。TBSの火曜ドラマ「恋はつづくよどこまでも」で、あだ名が「魔王」のドS医師を演じている。一方で“佐藤魔王”とは真逆ともいえる変態ドMキャラを好演し、いま確実に評価を上げている俳優が速水もこみち(35)だ。

 速水はテレビ朝日系の深夜ドラマ「この男は人生最大の過ちです」に主演。顔よし、頭脳よし、家柄よしの非の打ち所がない製薬会社社長・天城恭一を演じている。

「速水の主演ドラマは、2010年放送の『ハンマーセッション』(TBS)以来、なんと10年ぶり。ここ数年は俳優というより“イケメン料理男子”“オリーブオイル王子”として名前を広めていましたが、やはり本業は俳優ですからね。今回の主演ドラマには気合が入っているようです」(テレビ誌ライター)

「この男は--」は、九瀬しき原作の人気電子コミック。速水演じる天城は、何もかもを兼ね備えたイケメンだが、好きな女性の前では「僕を奴隷にしてください」と土下座してお願いするドMキャラだ。爽やかでクールなイメージの強い、これまでの速水とは180度違う印象だが……。

 ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は「それが案外、悪くないんですよ。いえ、むしろ似合っていると言っていいかも」と笑いながら、こう続ける。

「これまではハンサムすぎるせいか、表情が乏しいことがもこみちさんの弱点と思っていました。でも、むしろそこが今回のドラマのキャラクターに合っている。スッとしたいでたちで人前では冷静に振る舞いながらも、実はドMで、好きな人にはとことん奴隷扱いしてほしい。もこみちさんが大真面目に真顔で演じれば演じるほど、笑えるんです」

 ネット上の反応も上々で、〈もこみちの変態っぷりが突き抜けていていい〉〈このもこみちにはハマる〉などと、ドMな速水を支持する声が多い。

「身長186センチと、恵まれたルックス、スタイルなのに、2002年の俳優デビューから、これだと言えるような代表作は見当たりません。昨年、タレントの平山あやと結婚しましたし、いつまでも“王子的”な人気に頼っているわけにはいかない。ここらで世間の印象に残るような思い切った役を演じないと……本人も思うところがあったのでしょう。今のままでは俳優として一流とは言い難い。さらに前に進むためには、ドMでも変態でも“どんとこい”の心境なのかもしれません」(芸能プロ関係者)

 ドラマ自体も〈ゆる~い気持ちで見られる〉などと、なかなか好評のようなのだが、ただ最近は〈回を重ねるごとに、ドM度が薄れてきたように思う〉〈もっともっとドMさが欲しい〉……視聴者からの要求のハードルも上がってきている。

「高身長の二枚目というイメージがつきまとうと、俳優にとってマイナスに作用することもあります。必ず壁にぶち当たる。かつて、殻を破れずにくすぶっていた阿部寛がまさにそうです。アラサーだった1993年に、つかこうへい作・演出の舞台『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』に主演。バイセクシュアルの部長刑事役を熱演したことをきっかけに、一流俳優にブレークスルーできました。速水にも突き破ってほしいですね」(前出のテレビ誌ライター)

 さて、速水は迷わず変態ドM道を突き進み、この高いハードルを越えることができるだろうか。