トゲトゲ愛が半端ない！『ハリネズミ専門カフェ』店長が仕掛ける『第2回総選挙』の下剋上大作戦

　ハリネズミ専門カフェ「ハリーウッド」（名古屋市中区）で16日から、お気に入りに一票を投じる「ハリネズミ総選挙」がスタートする。山本美沙紀店長（27）は昨年、首位だった「とりそぼろ」の地位を「あおいくん」が奪取できないか、主催者ながら主観たっぷりに策を練っている。

　「私の推しハリはあおいくんです」。顔に白い毛のある1歳半の男の子。容器に敷き詰めた砂の穴を掘るのが好きで、回し車の下に頭を突っ込んで「ハリケツ」を見せてくる。「何してんだ」「かわいいねー」と店のウェブサイトに写真を掲載すると、みるみる「いいね」が増える。「ハリセブン」入りを目指すには、いかにかわいい写真を撮るかがかぎだ。 2回目のハリネズミ総選挙を開く山本美沙紀店長

「40匹のすべての顔を見分けられるのは私だけ」

　ハリーウッドは名古屋でも少ないハリネズミだけの触れ合いスペース。山本店長はオープン2カ月後の2018年5月、客として訪れ、店長募集を知った。それまではパソコンと向き合う仕事。動物好きで、同時期に猫カフェにも応募し、店長として合格していた。「猫カフェだとライバル店が多くて差別化しにくい」。今やどっぷり。「40匹のすべての顔を見分けられるのは私だけ。顔も性格もぜんぜん違います」

　40匹が2、3日に1回の交代制でカフェに登場。個々の特徴を来客に説明し、なるべくストレスを与えないよう触れ合ってもらう。「尽くせるだけ尽くします」という山本店長は、ハリネズミ関連のイベントがあれば自費でも参加する。 回し車の下で眠るあおいくん

「ただのハリボールになりました」

　本領発揮は昨年1月。第1回総選挙を立ち上げた。写真を撮影し、特徴のコメントを添え、サイト経由でお気に入りを投じてもらい、約300票が寄せられた。来店客だけでなく、ネット上のファンも引き寄せる。王者とりそぼろは「ブチャそぼろとイケそぼろの両方の顔を持っています、のキャッチコピーが効きました」。その後、150グラム太ってしまい、「ただのハリボールになりました」。

　今回は20匹がエントリー。前回のハリセブン7匹の写真は缶バッジにして配布、販売した。昨年秋には、フォトコンテストも開催。上位の写真を使ってカレンダーを作った。お気に入りのグッズを求める客が多いという。

　最初は「針が立った」と感動した山本店長。手を出すと寄ってきて、丸まった体から顔を出すと「心を開いてくれた」。一つ一つがうれしい。ハリネズミの世界にどっぷり浸っている。

　総選挙では、同店サイトを経由した専用サイトから、2月16日から3月8日まで投票できる。発表は3月24日。