『およげ!たいやきくん』子門真人の歌声をもう一度…「ドッキリ」のつらい記憶

引用元:マグミクス
『およげ!たいやきくん』子門真人の歌声をもう一度…「ドッキリ」のつらい記憶

『およげ!たいやきくん』で知られる子門真人(しもん・まさと)氏は特撮やアニメで多くの曲を歌いあげ、ささきいさお氏、水木一郎氏と共にアニメソング御三家と称されていました。しかし1990年代に突如引退してからは公の場に姿を見せておらず、現在は行方不明となっています。幼少時から子門真人氏の曲に親しんでいたライターの早川清一朗さんが思い出に残る数々の曲と子門真人氏への想い、そして偶然見てしまったあるTV番組について語ります。

【画像】もう一度聴きたい…子門真人氏の楽曲の数々

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 その時筆者が見たのは、激怒している子門真人氏でした。

 それがいつだったのかははっきりと記憶していません。25~30年くらい前だったのではないでしょうか。 当時、TVではしばしば『どっきりカメラ』という、芸能人をだまして面白がる番組が放送されていました。

 その日、新聞のTV欄に書かれていた出演者の項目に「子門真人」と書かれていたのを見つけた筆者は、「あ、子門真人が出るなら見てみようかな」と思ったのでしょう。結果、ひどい番組を見る羽目になったのです。

 筆者にとっての子門真人氏は『およげたいやきくん』を歌っていた凄い歌手であり、『勇者ライディーン』『科学忍者隊ガッチャマン』『仮面ライダー』『ファイヤーマン』などたくさんのアニメや特撮の歌を心に刻み込んでくれた人でした。
 
 そんな大切な人に対しひどい扱いをした番組に対し、今も思い返すたび、怒りがわいてきます。

 番組はこんな内容でした。まず子門真人氏がニセの歯磨き粉CMソング「ミルキーライトの歌」を歌います。最初は「ツル・ピカ・ツル・ピカ・元気な子供は・ミルキーライト」という歌詞だったのですが、これが急に「ツルッ・ピカッ・ツルッ・ピカッ・ツルツルピカピカ・ハァー、ゲーンキな子供は・ミルキーライト」に変更になり、子門真人氏が歌い上げた直後に、頭髪に不自由しているニセの重役とやらが出てきて、「これはハゲを馬鹿にしている」と難癖をつけ始めたのです。

 確かニセ重役は子門真人氏に、自分なら芸能界から追放できるという内容の言葉を浴びせていたと思います。 その時、子門真人氏は怒りをこらえながらも毅然とした態度で「構わない、ならば辞めてサラリーマンとして生きていく」と答えたように記憶しています。