成田凌がキネ旬助演賞に喜びにじませる、池脇千鶴は阪本順治へ感謝

引用元:映画ナタリー
成田凌がキネ旬助演賞に喜びにじませる、池脇千鶴は阪本順治へ感謝

「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月11日、東京・文京シビックホールで開催され、助演女優賞を受賞した池脇千鶴と、助演男優賞を獲得した成田凌が登壇した。

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阪本順治の監督作「半世界」で、稲垣吾郎扮する主人公の妻・初乃を演じた池脇。トロフィーを手に「すっごく重いですねこれ!」と笑みをこぼしながら、「基本的には男性3人がメインなので、(初乃は)ともすれば添え物になりかねない役。阪本監督が女、妻、母として、きちんと1人の人間を描いてくださったことが、映画に反映されての評価なのかなと、ありがたく思っています」と阪本に感謝を告げる。1999年に「大阪物語」で新人女優賞を獲得した池脇は「新人賞をいただいたのも、もう20年も前なんですね。もらってうれしいものなので、次は20年も空かずにいただけたら励みになるかなと思います」と茶目っ気たっぷりに語った。

「半世界」で日本映画脚本賞、読者選出日本映画監督賞を受賞した阪本は、初乃役に池脇を選んだ理由について「きれいな30代の女優さんはたくさんいらっしゃるんですが、なかなか私生活の匂いがする方がいなかったんです。池脇さんは、素の彼女を想像できたのでキャスティングしました」と明かす。池脇は阪本の印象を問われると、「すみません」と謝りつつも「怖そうなイメージでしたが、ものすごく愛の深い監督さんでした。すごく厳しいですが、キャストたちを見つめてくれて、撮影も楽しかった思い出があります」と述べた。

「愛がなんだ」「翔んで埼玉」「さよならくちびる」など出演作が相次いで公開された成田。「関わってくださったいろんな人に感謝しかないです。現場に行くたび、自分の力が足りないなと思うと同時に、共演者の方からたくさんのことを学んでばかりだったので、そんな僕がいただいていいのかと思いました」と謙遜する。しかし、キネマ旬報誌で得票数を確認したところ、2位に大差をつけての1位だったことから「ダントツでした!」と喜びをあらわに。「カツベン!」で主演を務めたこともあり、主演男優賞の得票数も確認した成田だったが、1位の池松との点差には「やっぱり(力が)足りないんだなあと思います」と悔しさをにじませた。

司会から、2019年の出演作の多さについて触れられると、成田は「自分でもいつ撮ってたんだろうと思います」と苦笑し、多忙だった昨年の裏話を語る。「『愛がなんだ』と『スマホを落としただけなのに』を同時期に撮っていたんです。そして『さよならくちびる』のためにギターの練習をしないといけなかったので、血まみれになりながらギターを練習していました」と振り返り、観客の笑い声を聞くと「大丈夫です! 集中していました」と補足した。

「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。映画ナタリーでは、表彰式全体の様子を追ってレポートする。