『犬鳴村』がJホラーの底力を見せる!アカデミー賞席巻の『パラサイト』は何位?

引用元:Movie Walker
『犬鳴村』がJホラーの底力を見せる!アカデミー賞席巻の『パラサイト』は何位?

米アカデミー賞授賞式を週明けに控えた2月8・9日の週末動員ランキング。新作の2本が2トップを飾るなど、前週に続き邦画が強さを見せる結果となった。

【写真を見る】これが最恐の心霊スポット「犬鳴トンネル」だ!

■ 『犬鳴村』がホラー映画として異例の活躍!

初登場1位に輝いたのは、土日2日間で動員16万9000人、興収2億2900万円をあげた『ヲタクに恋は難しい』。キャストの“オタクっぷり”も話題となり、若い女性層を中心に観客を集め、初日からの3日間では動員22万人、興収3億円を超える好スタートとなっている。

続く2位には、土日2日間で動員11万6000人、興収1億5500万円をあげた『犬鳴村』がランクイン。ジャパニーズ・ホラーの巨匠・清水崇が、日本に実在する心霊スポット「犬鳴トンネル」をテーマに描いた作品で、早くからSNSでも話題になるなど、公開前から注目度の高い作品だった。

『犬鳴村』の舞台となる福岡では、3日間で3200万円超えの興行成績を記録し、昨年の大ヒット作『翔んで埼玉』(19)の福岡上映時を360%も上回る結果に。トレンドランキング.botでは8、9、10日の3日間連続で「♯犬鳴村」が1位となり、Googleトレンドでも公開初日から本作の検索数が一気に跳ね上がり、予告編の再生回数が3日間で119万回を突破するなど、ホラー映画が冬の時代と言われるいま、熱い社会現象を巻き起こしている。また、3位には前回1位だった『AI崩壊』が入るなど、邦画がトップ3を独占した。

■ オスカー受賞で『パラサイト』への注目度アップか?

先日受賞作が発表されたアカデミー賞にて、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞など最多4部門に輝き(監督賞、国際長編映画賞、脚本賞)、韓国映画としてはもちろんアジア映画界にとっての快挙を成し遂げた。1月頭に日本で公開スタートした本作だが、5週たった現在も4位とその存在感は健在。累計では、動員113万人を突破し、興収も16億円目前で、今回の大ニュースが今後の記録にどう働くのかにも要注目だ。

■ 『家族を想うとき』ヒットにケン・ローチ監督から喜びのコメントが到着!

最後にランキング外の話題も紹介したい。カンヌ国際映画祭のパルムドールに輝く『麦の穂をゆらす風』(06)や『わたしは、ダニエル・ブレイク』(16)などで知られ、映像作家として常に労働者階級や移民、貧困などにスポットを当ててきたケン・ローチ監督。彼の最新作『家族を想うとき』が昨年12月から公開中だが、公開から55日を経て興収9000万円を突破し、『わたしは、ダニエル・ブレイク』の147日という数字を大幅に上回る、ローチ監督史上、日本で最も成功した作品となった。

このニュースに、ローチ監督から「すばらしいニュースをありがとう!」、脚本家のポール・ラヴァティからは「社会を変えるための議論が、この映画を通して進むとうれしい」という喜びのコメントが届いている。

今週末は、アカデミー賞で撮影賞、録音賞、視覚効果賞の3部門に輝いた『1917 命をかけた伝令』や巨匠ブライアン・デ・パルマの最新作『ドミノ 復讐の咆哮』、大友啓史監督が芥川賞受賞作を映画化した『影裏』などが公開される。動員ランキングにどのように絡んでいくのか、目が離せない!(Movie Walker・文/トライワークス)