松たか子、アカデミー賞で堂々日本人初歌唱「予想をはるかに超えた機会」

 映画界最大の祭典「第92回アカデミー賞」の授賞式が9日(日本時間10日)、米ロサンゼルスで行われ、女優の松たか子(42)が日本人として初めて会場で歌唱した。「アナと雪の女王2」の劇中曲「イントゥ・ジ・アンノウン」を、米女優、イディナ・メンゼル(48)ら世界のエルサ役10人で熱唱し、「あっという間」と興奮冷めやらぬ様子。

 “日本代表”の松が、世界のエルサ役に堂々と肩を並べて、伸びやかな歌声を会場に響かせた。

 きらびやかなドレスをまとい、やや緊張した面持ちで登場すると、「イントゥ・ジ・アンノウン」の1番を歌ったメンゼルに続き2番の歌い出しを担当。メンゼルの隣に立ち、日本語で、♪どうして呼び続けているの…と熱唱してポーランドのエルサ役につないだ。

 クライマックスでは、松やメンゼルをはじめ、ドイツ、スペインなどのエルサ役10人が圧巻のハーモニーを披露。歌い終えると大歓声と拍手が鳴り響き、緊張から解放された松は満面の笑み。メンゼルらと視線を交わして互いをたたえ合った。

 日本人がアカデミー賞の授賞式で歌唱するのは初の快挙。松は昨年11月に日米同時公開されたディズニーアニメ映画「アナと雪の女王2」で、前作に続き主人公エルサの吹き替えを担当。劇中で歌う「イントゥ-」がアカデミー賞の歌曲賞候補となり、米ディズニー本社からオファーを受けて授賞式に出演した。

 松が人前で同曲を歌うのも初めてで、「いまひとつ実感がわかなくて。予想をはるかに超えた機会を与えてもらった」と夢見心地でうっとり。本番前には、他のエルサ役たちとパート分けなどを入念にチェックしたといい、「素晴らしい経験よね」などと喜び合ったと振り返った。

 授賞式前のレッドカーペットにはピンク色の着物姿で参加。各国のエルサ役の中でもひときわ美しさを際立たせ、大和なでしこの美を世界に知らしめた。

 「アナ雪2」は日本で1000万人超を動員し、興収130億円の大ヒットを記録。松は「それだけ日本でも盛り上がったのが認められて『おいで』と言われたんだと思う。ステージで歌えたのは日本でこの作品を観て、愛してくれた人たちの力が非常に大きかった」と感謝。ネット上には松の歌唱を受け、「感動した」「素晴らしすぎて涙が出た」など絶賛の声があふれた。