佐藤浩一と火野正平、東日本大震災の映画を「題材として危険だと思った」

引用元:Lmaga.jp
佐藤浩一と火野正平、東日本大震災の映画を「題材として危険だと思った」

東日本大震災による福島第一原発事故を題材にした、ノンフィクション作品が原作の映画『Fukushima 50』。公開に先駆けて、2月10日に大阪市内で試写会が開催され、主演の佐藤浩市と火野正平が撮影秘話を明かした。

【写真】舞台挨拶の様子

最初に佐藤は、「この映画の一般試写を最初に見ていただいたのは福島の方々。正直、怖かったです。地震や津波のリアルなカットが映像として流れる。それを皆さんに踏ん張って見ていただくことで、明日につなげる作品だと思います」と神妙な面持ちで挨拶。

火野は、「テレビやニュースで、これはヤバいことだぞ、とは分かっていたんだけど、実際に何やってるか分からなかった。それがこの映画で分かると思う」と語った。

この映画のオファーが届いた時「正直、題材として危険だと思った。まだ早いと思った」(佐藤)、「こんな映画作っていいのかなと思った」(火野)というふたりだが、「前線にいた現地雇用の職員の方々を中心に描きたい、という監督の思いに応えて」(佐藤)参加することを決意したという。

福島で撮影を行った実感として、「(震災と復興は)何も終わっていない、下手したら始まっていないかもしれない」と語った佐藤。富岡町の帰還困難区域で撮影をした、ラストの桜を見上げる数年後のシーンでは、「自分自身と役柄の思いは必ずしも一致はしないが、複雑な気持ちは映ってくれていると思う」と力を込めて語った。映画は3月6日より全国で公開される。

取材・文・写真/上地智