オープンワールド中世ローグライクRPG『Stoneshard』―ハードな世界を生き延びろ【爆速プレイレポ】

引用元:Game Spark
オープンワールド中世ローグライクRPG『Stoneshard』―ハードな世界を生き延びろ【爆速プレイレポ】

最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

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今回は2020年2月7日にHypeTrain DigitalよりPC(Steam)向けにリリースされた『Stoneshard』について生の内容をお届けしたいと思います。

『Stoneshard』とは

Ink Stains Gamesが手掛ける本作は、戦争後に荒廃した王国を舞台に傭兵となり、さまざまなミッションをこなして成長していくターン制のローグライクRPG。クラウドファンディングで目標金額の3倍を超えるなど、発売前から話題になっていた作品です。

体の部位ごとに治療が必要な細かなヘルスシステム、死んだらキャラがロストするモードなど、高めの難易度が特徴。豊富な種類の武器と魔法、100を超えるスキルを自由に組み合わせ、自分だけの個性を持ったキャラクターを作り出せます。

現在は早期アクセス版で、遊べる機能は少なめですが、今後2年がかりの更新が予定されており、オリジナルキャラクター制作、キャラバン機能やクラフトシステム、キャンペーンモードなど数多くの要素が追加されていく予定です。こちらでは、今後のロードマップも公開されており、日本語の追加についても言及されています。

『Stoneshard』の実内容に迫る!
本作は、ゲームスタート段階で「死んだらキャラがロストするモード」と「ノーマルモード」を選択することが可能。本プレイレポではノーマルモードでプレイしています。

物語は、囚われているひとりの老人「Verren」と見張りの会話から始まります。どうやら彼の仲間も捕らえられ、間もなく行われる儀式のための生贄にされてしまうようです。見張りとの話が終わり、錆びついていた手錠を解除した老人は牢屋を抜け、仲間たちのところへ向かうことになります。

こんなところに使えそうなアイテムが!
仲間の死体から使えそうな装備を見つけ、落ちている鉄の棒を拾い、なんとか見張りを倒して牢屋から脱出した老人。その先には多くの怪物が待ち受けるダンジョンが待ち受けていました。この老人がダンジョンを脱出するまでがプロローグで、本作のチュートリアル部分になります。

厳しすぎるチュートリアル!死んで体に基本を叩き込め!
チュートリアルでは、能力の上げ方やスキルの覚え方、飢えや乾きの直し方、ケガの治療方法などを丁寧に教えてくれるのですが、ある程度教えたあとは「さあ、自由にやってみよう」と言わんばかりにダンジョンに放り出され、しばらくは自由に探索することになります。この段階でも難易度は高めなので、慣れないうちは何度か死んでしまうでしょう。

いきなり罠を踏み足が破壊状態。体を張った治療のチュートリアルです。
死んだ場合はチェックポイントからのやり直しになり、あらためて入るダンジョンは、敵の配置や手に入るアイテムの中身が変わっています。そのため、チュートリアルダンジョンであっても毎度新しい展開が待ち受けているのです。もちろん、あまりに運に恵まれず「正直これ今回クリアさせる気がないな」と言う状況も起こりえます。次回に生かせる行動を生むための経験値こそがこのゲームではなによりの財産です。

スキルは本を読むことで習得可能
武器には未鑑定や呪い状態の物も。貴重なスクロールを使用して解除可能です。
ダンジョンの最後にはボスとの戦闘が発生し、マップのオブジェクトを利用した戦闘法を学ぶイベントバトルが開始。この戦闘も慣れないうちは難しいですが、ここは死んでも直前からやり直しなので安心です。ボスを倒し、場面が転換するところでプロローグは終了。いよいよ本編となります。

冒険のはじまりは入念な準備から!食べ物と薬は持ったか!
場面は変わり、一週間後のOsbrookの町。酒場でVerrenとフードの若者が何やら話しています。どうやら以前、Verrenに命を救われた過去のある傭兵で、今回の目的のために呼び出された様子。話の途中で「お前は再会するまで何をしてたのか」と問われたところでキャラ選択画面になります。

職業が異なる4人は、初期に扱える武器や魔法などの特性もさまざま。この中から使用するキャラを選択し、『Stoneshard』の本編が開始となります。まずはこの村の長老と話し、提示される3つの依頼をクリアすることを命じられます。

この段階で、依頼を受けずに自由な行動を取ることは可能なのですが、この町を囲む森には狼や蛇などの危険な野生生物や夜盗が潜んでおり、油断は禁物。まずはこの町の施設を巡り、食料や薬を買い集める必要があります。また、セーブは宿屋で寝ることで可能ですが、当然お金はかかってしまいます。

お金になるものは何でも使います。ありがとう金歯だった人。
森には鹿やウサギなどもおり、倒して剥ぎ取った毛皮を売ることでお金を稼ぐことが可能。もちろん狼の毛皮や夜盗の持っている武器だってお金になります。なるべく森を巡ってお金を稼ぎ、新しい装備を買いたいところですが、無理をすればこのゲームは戦闘でリスクを負う確率が上がってしまいます。大ケガをした場合は基本的に赤字になることを覚えておいてください。

己の状態を知ることが生存の鍵!細かなヘルスシステム!
プレイヤーのステータスには、飢えと乾きなど基本的な項目だけでなく、体内の毒素や病気への免疫、今感じている痛みなど、細かく分類された数字があります。そのほか、頭、胴体、両手足の6ヶ所にそれぞれダメージ判定があり、各部へのダメージが大きくなると、最大体力が低下していくほか、行動時のペナルティにつながります。

腕が破壊されると武器が持てなくなります。
たとえば足に大ケガを負うと、AGIのパラメーターにマイナス補正が入る、回避にペナルティが入る、移動時に余計な音を出してしまうため敵に気づかれやすくなるなど、影響は深刻。ケガを回復するためには、出血なら包帯を巻く、痛みなら痛み止めを摂取する、折れていたら添え木をつけるなど適切な治療をしなければなりません。ステータス異常は治療状態にしない限り完治はせず、いくら休憩しても全快にはなりません。

とにかく「痛み」のペナルティは大きい。酒を飲んで痛みをごまかそうか……。
また、体力が大きく落ちたり、空腹や乾き状態が続くと「士気」が落ち、頭への衝撃や不浄なものから攻撃を受けることで「正気度」が低下。どちらもステータスや取得経験値などに悪影響が出はじめ、最終的にはまともに動くことすらできなくなってしまいます。

士気が下がるとやる気が無くなる。
発狂状態や重症状態で敵に襲われた場合は、基本的に死ぬものだと考えてください。その状況にならないよう、戦闘が終わったら少しでも安全な場所で治療するのがこのゲームの重要なポイントでもあります。

多勢に無勢は死の近道!有利な戦場を作り出せ!
戦闘はターン制の行動バトル。お互いがそのターンの行動を同時に行う『風来のシレン』や『Elona』など他のローグライクに近いシステムです。近接攻撃は基本的に与えるダメージこそ大きいですが、相手の攻撃も受けることになるため、常に防具や体調のコンディションを意識する必要があります。弓や魔法などは遠距離から攻撃できるのでケガのリスクが下がるのですが、弓は射撃準備のターン、魔法には詠唱のクールダウンがあるなど、連発ができない仕様のため、倒しきれなかった場合は近づかれて危険です。

相手の間合いを読み、なるべくケガをしないような戦闘をすることが重要になります。多数を同時に相手にすると複数の攻撃を一気に受けることになり、簡単に死んでしまうため、「いかに相手の動きをコントロールするか」が大切なポイントになります。

こういう状況になった場合確実に死ぬと思ってください
たとえば室内戦なら扉を締めて視界を塞いだり、別の階まで逃げつつ一体ずつ処理する戦法が有効。魔法が使えるなら障害物を呼び出して一本道を作り出す、炎で道を燃やして迂回させるなどを狙うと戦いやすいでしょう。もちろん理想は一匹ずつ処理していくことなので、種族ごとの視界の違いを把握することが安全に繋がります。

相手の道を魔法で塞ぐ。このあと魔力の反動でスタンして魔物に殺されます。逃げ道を作る魔法だったとひとつ賢くなりました。

ここまで紹介してきた『Stoneshard』ですが、早期アクセスの今のバージョンでは受けられる依頼もまだ少なく、やれること自体がまだまだ少ない状態です。それでもこのゲームの持ち味である、考えなければ簡単に死ぬ戦闘やヘルスシステムの魅力はしっかりと味わえます。

とにかく慣れるまでの難易度は高く、何度も死んで覚えることが多いため、万人向けではないゲームであるのは間違いないと思います。ただ、最善の行動を選び、無事に生き延びたときの喜びはひとしお。ターン行動システムのおかげで状況を読みながらプレイできるため、単純に難しいだけではない絶妙なバランスに設定されています。もちろんどれだけ読んでも死ぬときは死にますが。

井戸や滝では水分が補給可能。
戦闘で武器や防具は消耗し続ける、薬や包帯の代金も馬鹿にならない、毎日毎日安宿で眠り、乾いたパンと水だけの生活を送る……。そんな状態の傭兵がコツコツと依頼を達成し、森の動物から角や皮を剥いでお金を稼ぎながら、レベルを上げ、装備を整え、確実に少しずつ強くなっていくのを実感する、この地道でハードな世界は、プレイヤーにとって無限の可能性のある非常に魅力的な世界でもあるのです。

どれだけ稼いでも買える気がしない防具。いつかはきっと……。
今日はパンと水でも、明日はきっと骨付きハムを齧り付きながらミードを浴びるように飲めるさ。そんな世界が楽しみたい人ならば、このゲームは非常におすすめの一本です!

タイトル:Stoneshard
対応機種:
PC(Steam)は早期アクセス中。PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチでのリリースも予定されています。
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年2月7日
記事執筆時の著者プレイ時間:6時間
価格:1,480円

「爆速プレイレポ」ではハードコアゲーマーなライターから読者に向けて、新作タイトルの生の内容を伝えるプレイレポートをお届けします。対象となるタイトルは、執筆時点で発売48時間内の新作、かつAAAからインディーまで、ジャンルやプラットフォームを問わず「読者が気になるだろうゲーム」もしくは「ハードコアゲーマーのアンテナが反応するゲーム」です。

性質上、本企画においてはゲームの評価や採点は行いません。ストーリーなどの「ネタバレ」も軽度な内容に留まることが殆どです。また、記事執筆にはデベロッパー/パブリッシャーからプレイレポート用として提供されたゲームソフトが含まれる場合もあります。プレイ時間自体も基本的には短い段階での執筆となります。

なお、マルチプラットフォームで展開されている作品においては、対応している機種のうちのひとつのエディションのみをプレイしています。そのため、本文内でプレイした際の使用機種についても明記しています。 Game*Spark Mr.Katoh