知将から策略家、病み美少女まで!?2020年大河の主役「明智光秀」の人物像をゲームのキャラクターから読み解く

引用元:インサイド
知将から策略家、病み美少女まで!?2020年大河の主役「明智光秀」の人物像をゲームのキャラクターから読み解く

乱世・戦国時代を生きた知将として知られ、歴史的クーデター事件「本能寺の変」の首謀者として知られる武将、明智光秀。

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一般的には主君・信長を討った裏切りの副官としてのイメージが強い人物ですが、その行動の真意や人物像には謎が多く残されているミステリアスな存在でもあります。近年はそうした側面へフォーカスした創作も多く、2020年の大河ドラマでは主役として抜擢されています。

そこで今回は様々なゲームに登場する「明智光秀モチーフ」のキャラクターをピックアップして、光秀という人物がどのように描かれているのかチェックしてみましょう。

『仁王2』

「戦国死にゲー」こと『仁王』のシリーズ最新作ではストーリーに明智光秀が登場することが予告されています。この作品では織田信長が健在である時期の戦国時代が舞台となっており、光秀も史実通り織田軍の重臣として描かれます。

元々は美濃の国で斎藤道三に仕えていた光秀ですが、斎藤家が織田信長に破れ滅亡した際に、その優れた才知を買われ信長に仕えることとなりました。作中では仲間である主人公と藤吉郎が操る霊石の力が世の調和を乱すとして、彼らへの警戒を強めています。時代背景を考えれば、かなり思慮深い人物として描かれていると言えるでしょう。

『信長の野望 20xx』

仁王と同じくコーエーテクモゲームスが手掛ける歴史モノと言えば『信長の野望』。同シリーズは戦国時代を舞台とする歴史あるSLGとして知られていますが、現在オンラインで展開されている『201x』や最新アップデートの『20xx』と言ったタイトルは現代・近未来が舞台のフォーメーションバトルRPGに。

武将たちも服装こそ一見して戦国時代らしい甲冑や着物に見えますが、武装は丸っきり近代兵器になっています。そんな中で明智光秀は、なんと某スカウター風のアイウェアを標準装備。知性的なイメージからの演出と思われますが、どことなくコミカルに見えてしまうのはご愛嬌です。

『戦国無双』シリーズ

数多くの武将がプレイアブルとなっている爽快な一騎当千アクション『戦国無双』シリーズ。史実の雰囲気を残しながらも、時にビームが出たり空を飛んだりと自由な世界観が特徴の同作ですが、こちらでの光秀は長髪に切れ長の眼が涼し気な美青年として描かれています。

流石に髪型についてはオリジナルの要素と思われますが、茶会や連歌に親しむ文化的にも優れた人間だったという説もあり、こうしてクールかつ落ち着いた人物像が形作られたのではないでしょうか。

武将を特徴付ける要素のひとつである使用武器は長刀。バッサバッサと敵を薙ぎ払うアクションが魅力で、2019年には光秀の愛刀「備前長船近景」が発見されたとして話題にもなりました。あまり腕っぷしが強いというイメージは無い光秀ですが、実は戦闘においては射撃の名手でもあったというエピソードも伝えられています。

『戦国BASARA』シリーズ

スタイリッシュなアクションと豪快なキャラクター描写でメディアミックスも盛んなBASARAシリーズ。伊達政宗や真田幸村らの武将がストーリーの中心となっている本作でも、光秀は初代から操作可能な武将として登場しています。

策略家という点は史実を連想させますが、性格面では両手に構えた大型の鎌を振り回し、敵味方問わず本能のままに殺戮を楽しむというとんでもない異常性を持ち合わせたキャラクターに。

信長の側近という立場は他の作品と同じながらも、『3』では「天海」と名乗る謎の人物として登場し、続く『4』ではNPCとして敵側に回るなど、独特な役回りで描かれています。

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『Fate/GrandOrder』

時代を超えて歴史上の英霊が登場する『FGO』では「ぐだぐだ帝都聖杯奇譚」のストーリーに明智光秀の名前を冠するキャラクターが登場。サーヴァントは歴史と異なる性別で描かれるケースも多いFateの世界ですが、光秀はやはり理知的な雰囲気をまとう男性の姿となっています。

詳細についてはまだ不明な部分も多いですが、注目は登場時に真名を「南光坊天海」と名乗っている点。『BASARA』シリーズにも登場した「天海」というキーワードですが、これは江戸時代初期に実在した僧侶・天海の正体が実は明智光秀だったのでは、という説に基づいたものと推測されます。

実は光秀の最期については明らかになっておらず、秀吉に敗れた山崎の戦いで自害したという説や、敗走の際に落ち武者狩りにあったという説も。その中で「天海と名を変えて生き延び、幕政に影響を与えていた」という歴史ミステリーを色濃く汲んだキャラクターと言えるでしょう。

『三国大戦スマッシュ!』
本日より超英雄祭が開催!三国志の世界にあの有名戦国武将『明智光秀』が出陣!7スキルと新連計『溜撃』を持つ強力な限定武将極降臨クエストの『織田信長』との戦を味わおう! pic.twitter.com/EgXXhHrXlv— さんすま!公式アカウント (@sangokusmash) January 15, 2019
三国志を舞台に様々な武将が女性化して登場するひっぱりアクションアプリ『さんすま』ですが、ここにも日本の戦国時代から何人もの武将が参戦。『さんすま』の世界では光秀も他の英雄たちと同様に女性として登場しており、長い黒髪が鮮やかなセクシー美女に。

作中では「幻の天下人」という冠がつけられたバージョンも登場していますが、これは本能寺の変で天下に手をかけながら豊臣秀吉によってすぐに討たれてしまい数日しか天下を握れなかったというエピソードから。これに由来する「三日天下」という言葉は今も儚さの例えとして用いられますが、実際の所は10日程度だったとされています。

『戦国アスカZERO』

数々の武将が美少女として活躍する武将RPGアプリ『戦国アスカZERO』では、光秀もゆるふわヘアーのボクっ子美少女で登場。これまではどちらかと言うと明智光秀という武将の知性的な面をピックアップした作品が多かった中で、『戦国アスカZERO』では心のうちに本人も無自覚なほどの残虐さを備えたキャラクターに。

光秀が本能寺の変を起こした動機については、単に天下を欲したというシンプルな以外にも諸説あり、長期的な斎藤家の復讐だった説や権力を手にし暴走し始めた信長を止めるためだったという説も。

『戦国アスカZERO』の光秀はとってもキュートな見た目に反して血を好み、その残虐さの対象がついに主君・信長にまで及ぶという設定ですが、単純に「権力のためのクーデターでは無かった」というのは斬新な観点と言えるかも知れません。

戦国時代や武将をモデルにしたタイトルは数多くありますが、こうして「光秀コレクション」を振り返ってみると、知性的な副官という面や文化人という側面をピックアップしたものから、狡猾な反逆者という人物像まで実に様々に描かれています。

織田信長や徳川家康といった人物ほど来歴がハッキリしておらず、謎が多いことからも作り手独自の解釈やエッセンスが取り入れられやすいキャラクターと言るのかも知れません。

ちなみに、史実では光秀が仕えていた斎藤家の娘であり信長に嫁いだとされる人物といえば、濃姫の呼び名で知られる帰蝶。

左が『無双』シリーズの、右は『仁王2』での濃姫
実は彼女について細かく示された資料が乏しいことから詳細な人物像は明らかになっていないのですが、今回複数のタイトルを調査したところ、濃姫は基本的にはどの作品でも一貫して妖艶さが際立つ和服美人としてデザインされていました。ドラマの世界では色々ありましたが、少なくともゲームの世界では配役交代の必要はなさそうです。