渦中のメーガン妃、“異国のプリンセス”がアピールしたかった英国愛とサステナブル道

引用元:ELLE ONLINE
渦中のメーガン妃、“異国のプリンセス”がアピールしたかった英国愛とサステナブル道

国ロイヤルズの着こなしには常に世界中から注目が集まる。古くからのしきたりやマナーなど、たくさんの決まりごとがある「ロイヤルスタイル」だが、そのなかで最大限に自分らしさをアピールして楽しむ姿に憧れを抱く。「英国ロイヤルズ」がファッションを通じて見せる、生き方や意志、今の気分、遊び心を読み解いてみたい。

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今回は、メーガン妃のスタイルを前半と後半でお届け。前半では、英国愛とサスティナブル推進を込めたドレスアップについて。 渦中のメーガン妃、“異国のプリンセス”がアピールしたかった英国愛とサステナブル道 エドワード8世 GETTY IMAGES

“異国のプリンセス”で新たな風を吹き込む

2018年5月、ウィンザー城にあるセント・ジョージ礼拝堂で、英国ロイヤルズに新しいプリンセスが誕生した。ヘンリー王子のお相手、メーガン妃だ。オランダ・アイルランド系の父、アフリカ系アメリカ人の母を持ち、婚約を発表するまでは女優として活躍。離婚歴、家族との確執などさまざまな懸念材料を乗り越え、“異国のプリンセス”として王室に新しい風を吹き込んだ。それは英国王室が多様性の時代への柔軟な対応、強固なしきたりを打ち破った新しい価値観の提示であった。

ああ、それなのに。あの歴史的な結婚からたったの2年足らずなのに。2020年1月8日にヘンリー王子とメーガン妃夫妻は突然の“主要公務からの引退”を宣言。これを受けてエリザベス女王らは“家族サミット”と呼ばれる話し合いを実施した結果、2020年1月18日には2人が王室メンバーから外れると発表された。2020年春以降は公務につかず、王族への敬称である「ロイヤルハイネス」の称号を失うことが決定。

いやはや、まさかの事態である! と書きたいところだが、実際の感想は「やっぱり……」。あの英国王室が、異国から嫁いだプリンセスを迎え入れるのはまだまだ難しいと思った。でも2年足らずで出るとは、さすがにちょっと短すぎないか!というのも正直なところ。英国とカナダを行き来しながら、公務も引き続き頑張ると言う姿勢を見せた2人に対して、完全離脱の結論を下したエリザベス女王。やはり、アメリカ人女性との結婚のために王位から退位した叔父のエドワード8世のことも頭に浮かんだに違いない。この辺については、NETFLIXの『ザ・クラウン』を観ることをお勧めする。

故ダイアナ元妃の次男坊ヘンリーは、英国民にとって、やんちゃなエピソードに事欠かなかったが、なんだか憎めない愛すべき存在であったように思う。ダイアナ死後は、国中で彼を見守ってきたところもあるだけに、英国民の失望はいかほどかと同情するが、英メディアは一連の騒動をEU強硬離脱「ブレグジット」とメーガン妃を掛けて「メグジット」などと呼び、街のお土産ショップは並ぶ2人の写真入りアイテム一斉に値下げするというシニカルさに、イギリスらしさを見たというものだ。

本題である「メーガン妃のドレスコード」に入る前に随分と時間を要してしまったが、仕方ない。メーガン妃からメーガン元妃へと名称が変わるこの瞬間、2年足らずではあったが、彼女が英国ロイヤルズの一員として、どのような女性としてセルフブランディングしていきたかったのかを振り返ってみよう。