『FLASH』冠の新感覚グラビア誌 快進撃は“ストーリー性”にあり

引用元:オリコン
『FLASH』冠の新感覚グラビア誌 快進撃は“ストーリー性”にあり

◆「令和のグラビア」最前線レポート Vol.3『Platinum FLASH』
 時代を象徴する美女が誌面を飾り、世間の注目を集める「グラビア」。元号が変わり2020年を迎えた今、そのリアルな現場に迫る連載企画「令和のグラビア最前線レポート」では、グラビア誌の編集部に取材を敢行し、生の声を伝えていく。第3回はグラビアマガジン『Platinum FLASH』。グラビアの新機軸を開拓する同誌の編集方針から、冠を共通させる写真週刊誌『FLASH』や『FLASHスペシャル』との連携などについて、同誌発行人である光文社第二編集局長の青木宏行氏に聞いた。

【写真】貴重な“デコ出しショット”を披露した齊藤京子

■撮り下ろしのページ数とクオリティーに絶対の自信 月刊化せず柔軟性&機動力重視

 グラビアの最近の動きとして、『Platinum FLASH(以下プラチナ)』をはじめ各出版社が高品質のグラビアマガジンを次々と発行し、市場をにぎわせている。『プラチナ』の創刊編集長であり、現在は発行人として携わる青木氏は「スマホの小さい画面で写真を見ている反動なのか、大きなサイズの雑誌で自分の好きなアイドルの写真をじっくり見たいという声が多くなっていた」と世間の流れを読み、2年前に“クローズアップ・グラビア誌”をコンセプトにプラチナを創刊した。こだわっているのは、一つのグラビアのページ数だ。

 「プラチナのグラビアは長ければ20ページ、短くても10ページです。一般的なグラビアよりボリュームがあるので、モデルもいろいろな表現ができるし、カメラマンもストーリーを組み立てながらシャッターを切れる。プチ写真集のような撮影になり双方に気合いが入るので、自然といい内容のグラビアになっていきます。この撮り下ろしを1冊で10本は入れて、さらに手触りの良い紙質や保存しやすいデザインなど、いろいろ贅沢にこだわりながら、定価も学生さんが手に取りやすい1000円以下を守っています。増税もあって980円とギリギリまで来ていますが(笑)、クオリティーも値段もすべてに妥協なく取り組んでいます」

 登場する女性タレントの基準は“旬で誰もが見たい人”と単純明快。ここ数号の表紙を坂道グループのアイドルが飾っているが、創刊号は女優・グラドルの小倉優香が表紙を務めており、アイドル・女優・声優と肩書にはとらわれない。「いまは魅力的な女性が本当に多くて、グラビアが10本あっても足りないです(笑)。テレビだけじゃなくAbemaTVや配信サービスも盛んになって、作られるドラマの本数が多くなり若手女優の活躍も増えているので、いい人材がどんどん出てきます。僕も毎日ドラマを2本くらい見ていて、気になった子を取り上げてみようって提案しています」と、青木氏は魅力的な女性タレントの豊作ブームに喜びの声をあげる。

 そのなかでも、表紙タレントの選定には特に頭を悩ませている。「CDリリースや周年イベント、写真集の発売、ファンのニーズなど、常に情報をアップデートしながら誰がベストか考えています。年に5~6冊ペースなので、今は裏表紙に広告を入れず“W表紙”として1冊で2人の表紙を作っていますが、それでも足りないくらい(笑)」。毎号の反響の高さから『プラチナ』の月刊化を求める声も多数寄せられているが「毎月の発売日を決めると、そこに縛られて“本を発売日に出す”ことが目的になってしまう。それよりも発売日を決めず、よいタイミングで柔軟にやるほうが機動性もあって、ファンの方にも届きやすいはず」と、年6回の不定期刊行ペースを続けていく方針だ。一方、『プラチナ』よりもインタビューや読み物企画が充実している『FLASHスペシャル』もほぼ隔月ペースで刊行しており、「合わせて年に10冊以上は出しているので、月刊誌編集部よりも忙しいかも(笑)」と多忙な日々を送っている。