海老蔵&勸玄くん、初演目はお家芸ズラリ!5・3開幕「襲名披露」

 5月3日に十三代目市川團十郎白猿を襲名する歌舞伎俳優、市川海老蔵(42)と八代目市川新之助を名乗る長男の堀越勸玄(かんげん)くん(6)が7日、東京都内で襲名披露演目を発表した。3カ月に及ぶ興行で「勧進帳」「助六由縁江戸桜」などお家芸がズラリ。海老蔵は「父と(妻の)麻央がいなくて心細いけど、できる限りやっていければ」と意欲。勸玄くんは、史上最年少の7歳で「外郎売」の曽我五郎を熱演する。

 歌舞伎界の大名跡、團十郎がお家芸で7年ぶりに復活する。

 5月3日に開幕する3カ月の襲名披露興行の演目の中でも、「勧進帳」「助六」「暫」は、2013年に死去した先代の父、團十郎さん(享年66)が十二代目を襲名した公演と同じ演目で役も一緒。海老蔵は後継者として「父から教わった『勧進帳』『助六』は外せない」と力を込めた。

 父に加え、妻、小林麻央さん(享年33)も17年に乳がんで亡くしており、「ひと言でいえば心細い。自分としても父親がいないのは非常に心細い。支えてくれるはずだった麻央もいない」と2人の存在の大きさを口にした。一方、海老蔵襲名時と比較し、「浮かれている感じはない。落ち着いたのかな。時と経験が人を変えていくと感じる」と苦境を乗り越えてきた力強さも見せた。

 新之助を襲名する勸玄くんは、6、7月公演の「外郎売」で史上最年少となる7歳で曽我五郎役を務めることになり、「けっこう難しそうだなと思います」と言いつつ、「(父が出演しなくても)大丈夫。頑張ります!!」と堂々宣言した。

 「外郎売」は、昨年7月の「七月大歌舞伎」で親子共演した演目。貴甘坊(きかんぼう)を演じた勸玄くんは、海老蔵演じる曽我五郎役を間近で見ており、父が同公演中に急性咽頭炎で休演した際も、1人で気丈に舞台に立った。

 海老蔵は「相当高いハードルだけど、最近は役者になってきた。『やってやるぞ』という雰囲気が出てきた」と成長著しい愛息に笑顔。勸玄くんと二人三脚で「成田屋の伝統文化をレガシーとして次代に継承していけたら」と改めて誓った。