LGBTQ番組への出演を批判されたジャミーラ・ジャミル、クィアだとカミングアウト

引用元:ELLE ONLINE
LGBTQ番組への出演を批判されたジャミーラ・ジャミル、クィアだとカミングアウト

今週テレビ局「HBO」のリアリティ番組「Legendary」の司会と審査員を務めることが発表されたジャミーラ・ジャミル。この番組は1920年代に誕生、80年代にニューヨークを中心に盛り上がったボールルームカルチャーをテーマに、ドラァグクイーンのパフォーマーたちがダンスとファッションを競う番組。ボールルーム(舞踏場)カルチャーとはトランスジェンダーを初めとするマイノリティたちが仮装(主に女装)し、ダンスや音楽、ファッションを通じてアイデンティティを表現するものであり、マドンナの「Vogue」や「ル・ポールのドラァグ・レース」のルーツとなった。

ジャミーラも「世界でも最高のボールルームからやってきた出場者たちに会えるのが楽しみ」と意欲を示すツイートをしていた。でもストレートのジャミーラが抜擢されたことにLGBTQコミュニティは猛反発。「司会にふさわしいのはLGBTQだ」「LGBTQのタレントに譲るべき」という意見がSNSに大量に浮上、炎上状態になった。

この批判を受けてジャミーラが「Twitterは残酷。だから私はこれまで自分がクィアだと公にしなかった」とカミングアウトした。「数年前、心の準備ができたと思ったとき私はプロフィールにレインボーフラッグを加えた。南アジアのコミュニティに受け入れてもらうのは簡単なことではないから」。ジャミーラはイギリス出身だがインド系の父とパキスタン系の母を持つ。「Twitterで直接このことについて聞かれたときにはいつも正直に答えてきた。でも声高に言わなかったのは、見せびらかすように流行に乗っていると批判されることが怖かったから」「俳優として自分のセクシャリティをオープンにすることも怖かった。褐色の肌の30代の女性であれば特にそう。こういう形でカミングアウトすることは望んでいなかった」と綴っている。 LGBTQ番組への出演を批判されたジャミーラ・ジャミル、クィアだとカミングアウト photo : courtesy of Jameela Jamil via twitter ジャミーラは「私は審査員の1人」で、テレビ局が言ったようなメインの司会ではないとも。さらに「クィアであることがボールルームカルチャーの担い手としての資格にならないとわかっている。でも私には有名人としての力があり、この番組や美しい出場者たちに注目を集めることができる」「名声を得るべきなのに社会に無視されたスターたちの立場を押し上げ、彼らにチャンスを与えるためにはそういう力が必要なこともある」と自分の役割について主張している。

キャラクターと俳優のセクシャリティを巡って議論されることが増えているハリウッド。非LGBTQのスカーレット・ヨハンソンがトランスジェンダー役に抜擢されたことがバッシングされ、降板騒ぎになったこともあった。性的マイノリティがコンテンツのテーマになったとき、その代弁者は自分の性的指向を明示する必要があるのか? ざわつく問題ではあるけれど、議論によって社会が進化することは確か。今回はどのような結末になるのか、注目したい。
(text : Yoko Nagasaka)