ゾンビを撃ち抜いて地獄に送り返してやれ! 狙撃に対する変態的なこだわりを感じる「Zombie Army 4: Dead War」

引用元:Impress Watch
ゾンビを撃ち抜いて地獄に送り返してやれ! 狙撃に対する変態的なこだわりを感じる「Zombie Army 4: Dead War」

 大量に湧いて出てくるゾンビの群れを銃で撃ち抜いていく、いわゆるゾンビシューターはビデオゲームでは鉄板とも言えるジャンルだ。そんな中、超メジャータイトル……というわけではないが、熱狂的なファンを多く抱えるゾンビゲームシリーズ「Zombie Army」の最新作「Zombie Army 4: Dead War」がPC/Xbox Oneで発売された。

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 「Zombie Army」シリーズは「Sniper Elite」シリーズを開発しているスタジオ「Rebellion」が送るゾンビシューター。元々の誕生は「Sniper Elite」シリーズのスピンオフとして生まれたのだが、それが好評だったのか独立したシリーズ作品として続いている。

 本作は迫りくるゾンビを倒しながらほぼ一本道のルートを奥へ進んでいくゾンビシューターだ。本作の魅力はなんといってもシンプルかつツボを押さえたゲームプレイにある。爽快感に重きを置いたゲームシステムになっており、スカッと系のゾンビシューターとでも言うべきだろうか。人間相手には描けない過激な描写もゾンビ相手なら意外と見られるものになる。ヘッドショットで吹き飛ぶ頭、心臓ショットで飛び散る血。過激な表現だからこその爽快感を感じられるのだ。

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 そして本作は特に「狙撃」に重きを置いたスタイルである。メイン武器はスコープ付きのライフルで、これをメインに使ってゾンビを蹴散らしていく。狙撃はロマンだ。アサルトライフルを使って多数のゾンビを蜂の巣にしていくのも、ショットガンを使ってゾンビをミンチにしていくのも面白い。だが遠距離から一発必中でゾンビを確実に仕留めていく「狙撃の快感」。それが本作の魅力であり面白さだ。

 一応サブ武器としてショットガンやハンドガンもあり、こちらもヘッドショットで確実に仕留めていくと通常のゾンビ相手ならかなり強力だ。ハンドガンは少し心もとないが、ショットガンであれば近距離から胴体に撃ち込むと大きなダメージを与えられる。とにかくゾンビを倒すことにフィーチャーした作品だ。

 逆に言うと謎解きや、壮大なストーリー、AIが意図的にピンチを作ってくれるような要素はない。「ストーリーとか謎解きとか細かいことは要らねぇ、ゾンビを倒したいだけだ」というシンプルな欲望に応えてくれる。

 とはいえ古き良きシューターの流れを組んで、マップに隠された収集アイテムを集めるという要素はあるし、今風のシューターのようにレベル制でスキルをアンロックしたり、武器を強化していくという要素もある。だが本作のコアにあるのは「狙撃、ゾンビ、必殺」というシンプルな3ワードのみだ。

 本作はナンバリング最新作のため、前作からの引き続きのストーリーはあるが過去のシリーズのストーリーを一切知らなくても問題ない。ザックリ言うと第2次世界大戦で敗れたナチスがゾンビとして蘇ってきて、「死人戦争」という戦争が起きる。

 プレーヤーはレジスタンスの一員となりゾンビを撃って撃って撃ちまくり、最終的にはゾンビとして蘇ってきたヒトラーを倒して平和が訪れた……はずだったのだが、ゾンビたちはまだ湧いて出てくるのでまた倒してね、というのが「Zombie Army 4: Dead War」のストーリーだ。

■変態的なこだわりから生まれる“狙撃の快感”

 繰り返しになるが本作の一番の魅力はなんといっても狙撃の一発必中でゾンビを地獄へと送り返していく爽快感だ。メイン武器は「M1ガーランド」や「Gew98」などのライフルにスコープを付けたもの。定番のアサルトライフルのように弾をばらまくことはできないので、一発必中を狙っていく。近距離ならサブ武器でも戦えるが、遠距離からの一撃必殺はメイン武器のライフルには敵わない。

 1発で頭を撃ち抜けばヘッドショット、心臓を撃ち抜けばハートショット、目を撃ち抜けばアイショット……とクリティカルショット1つとってもバリエーション豊富だ。記事の冒頭でも述べたとおり狙撃にフィーチャーした「Sniper Elite」シリーズから枝分かれして生まれた作品だけあり、狙撃やスナイプに関する変態的な拘りは見どころと言える。

 そして変態的なこだわりと言えば過激なゴア表現も外せない。吹き飛ぶゾンビの頭、吹き出すゾンビの流血。過激すぎるほどなまでのゴア表現は本作の爽快感を増すパーツの1つだ。

 通常のゴア表現は他のゾンビゲームにもよくある演出だが、「Sniper Elite」シリーズから引き継がれた要素の「X線キルカメラ」は本作の特徴的な演出だ。これは良いショットを決めると自動的に発動するユニークな演出で、発動すると画面全体がスローモーションになり、ライフルの銃弾がゆっくりとゾンビの方に向かっていく。そして銃弾がゾンビを貫くと同時にまるでレントゲン写真のようにゾンビの骨格が表示され、骨を砕いたり内蔵に銃弾が食い込むシーンを描写するという演出だ。「Sniper Elite」、「Zombie Army」シリーズに、この特徴的な演出は欠かせない。

■コンボを繋げてスコアアップを狙う!スコアアタックでリプレイ性アップ

 そして本作でやりごたえがある要素が「スコア」だ。ゾンビを倒すと15ポイント、ヘッドショットで倒すと30ポイント、といった具合なのだが、一定の時間内にゾンビを倒すとコンボが発生する。コンボが発生するとポイントに倍率がかかるので、2コンボ目は30ポイント、3コンボ目は45ポイント……と大きく点数が上がっていく。ミスショットをするとペナルティとしてコンボの持続時間が短くなるので、ハイスコアを目指すためには、素早くて正確にゾンビを倒すことが求められる。こうした駆け引きをしながらハイスコアを目指していくのも本作の楽しみだ。

 というのも良くも悪くも本作のキャンペーンモードはシンプルなステージ構成になっている。基本的には一本道で難しいギミックや謎解きのようなものは存在しない。あるとしても少しメインの道から外れるとシークレットアイテムが落ちていたり、弾薬に限りがある重火器といったアイテムが見つけられる、という程度だ。そのため本作のリプレイ性を高める要素はスコアアタックにあるのだ。

 そしてステージを進んでいくと節目節目に設置されたセーフエリアがゲームの区切りとなり、到達時に1つのチャプターが終わる。そうしてチャプターをクリアすると経験値が入手でき、キャラクターのランクが上がっていく。この辺りは今風のシューターらしい味付けとなっている。

 本作にはキャンペーンモードの他にひたすら押し寄せてくるゾンビを倒す「ホード」モード、週替りに条件が変わる「ウィークリーイベント」というモードも用意されている。ソロプレイはもちろん最大4人までの協力プレイにも対応している。

 一点、ソロプレイの時は気にならなかったのだが、パブリックなマルチプレイだとラグが発生することが多いのが残念だ。マッチング地域を選択することができるので「アジア」を選択しており、北米やオセアニアとマッチングさせられることはないはずなのだがどうにもラグが発生しがちだ。ひどいときには自分の画面で銃を撃ってから数秒後に敵に着弾するなど、遊べないレベルではないが銃を撃つ快感が面白さの大半を占めている本作において、狙撃のラグというのは面白さに大きく影響する。とはいえ日本国内にいるフレンドとプレイするなどの条件であればラグも改善される可能性はある。こちらは今後試していきたいと思う。

 細かいことを考えずにゾンビを倒していく。それも銃を撃ちまくるようなハッピートリガー系のゲームではなく、一発一発着実にゾンビを仕留めて地底に返していく。本作はそういった気持ちよさを感じられるゲームだ。

【スクリーンショット】 GAME Watch,DENPA IS CRAZY