ジェイ・Z、スーパーボウル国歌斉唱で起立しなかった理由を語る

引用元:ELLE ONLINE
ジェイ・Z、スーパーボウル国歌斉唱で起立しなかった理由を語る

近年、人種差別が問題になっているNFL。きっかけは2016年にコリン・キャパニックがアフリカ系アメリカ人に対する警察の暴力に対して抗議するため、試合で国歌が流れる時に起立しなかったこと。翌年キャパニックはどこのチームからも契約をオファーされず、今はプレーしていない。NFLの対応にセレブたちからは批判の声が上がった。2019年のスーパーボウルのハーフタイムショーでは関係者から「出演したがるセレブはいない」という証言が出てくるほど。リアーナも抗議の意思を示すために出演を断ったと語っていた。影響はハーフタイムショー以外にも及び、エイミー・シューマーは「今年はスーパーボウルのテレビ放送時のCMには出演しない」と宣言、他のセレブにもボイコットを呼びかけていた。

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それから1年。今年のスーパーボウルである事件が勃発した。試合前にデミ・ロヴァートが国歌斉唱したとき、VIP席に来ていたジェイ・Zとビヨンセ、娘のブルー・アイビーが起立していないのをエンタメサイト「TMZ」のカメラがキャッチ。それをすぐにネット上で報じ、大騒ぎに! これまでジェイとビヨンセはアフリカ系アメリカ人の人権問題に取り組んできた。そのため今回の不起立もNFLへの抗議の表れなのではないかと囁かれていた。 ジェイ・Z、スーパーボウル国歌斉唱で起立しなかった理由を語る デミ・ロヴァート(Demi Lovato)GETTY IMAGES この噂にジェイ本人が答えた。スーパーボウルの2日後にコロンビア大学で行われたQAセッションに出席したジェイは、政治的なメッセージだったのかと聞かれると「申し訳ないけど、そういう意図はなかった」。ジェイ曰く「会場に到着して席についてショーが始まった。妻が僕に『あの場所に立つ気持ちが私にはわかる』って言ったんだ。彼女はとてもナーバスになっていた。スーパーボウルでパフォーマンスしたことがあるから。僕はないけれど(笑)」。

ジェイが代表を務めるエンタメ企業、ロックネイションは昨年8月にNFLと提携、今年のハーフタイムショーのプロデュースにも関わっている。そのため「すぐにアーティストモードに入ってしまったんだ。ショーに集中していた。マイクには問題はないのか? 最初の音量が低すぎないか? って」「ずっと席に座ってパフォーマンスについて議論していた」。デミの国歌斉唱の間も「彼女の美しさや歌声の素晴らしさ、これまで体験してきたことや彼女の人生について話をしていた。彼女がステージに立っていることをとても誇りに思うと語り合っていた」。国歌が終わったところで電話がかかってきて、自分たちの行動がネット上で騒ぎになっていることを教えられたという。ジェイは「娘のブルーが僕たちと一緒にいたんだ。彼女を難しい立場におくことはしない」とも。 ジェイ・Z、スーパーボウル国歌斉唱で起立しなかった理由を語る ビヨンセ(Beyonce)、ジェイ・Z(Jay Z)INSTAGRAM ジェイは起立を拒否するというような「無言の抗議」をする必要はないとも語っている。「ステージと僕たちが選んだアーティストを見れば、声を大にして意思表示をしていたことがわかる」。プエルトリコにルーツを持つジェニファー・ロペスとコロンビア出身のシャキーラをパフォーマーとして抜擢したことが、人種差別に対する抗議の意味を十分持っていたと語っている。 ジェイ・Z、スーパーボウル国歌斉唱で起立しなかった理由を語る シャキーラ(Sharkira)、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)GETTY IMAGES メッセージを表明するなら、沈黙ではなくもっとはっきりした形で行うと宣言したジェイ。来年のスーパーボウルではどのような方針を打ち出すのか、早くも楽しみ。