海外ロケができない…新型肺炎の感染拡大でテレビ制作現場が大混乱

海外ロケができない…新型肺炎の感染拡大でテレビ制作現場が大混乱

 NHKや民放キー局の関係者が頭を抱えている。世界中を震撼させている新型コロナウイルス・パニックがテレビ界にも大きな影響を与えているのだ。

 中国・湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの大感染が止まらない。「WHO(世界保健機関)」も新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に対処する「緊急事態」を宣言。中国・保健当局国家衛生健康委員会もコロナウイルスによる肺炎の患者が1万4380人、さらに中国本土での死者数があわせて304人になったことを公表した(2月2日現在)。

「今回のコロナウイルスパニックの余波をもろにかぶってしまったのが日本のテレビ局です。海外ロケが基本、中止になったんです」(キー局関係者)

 一番の問題は出演する芸能人サイドから保証を要求されることだという。

「現在、爆発的な威力でコロナは世界中に広まりつつある。実際の患者数は中国政府が公表した数の3~5倍近くになるとの話も出ている。潜伏期間を含めると今後、患者数は世界で爆発的に広まることが想定されている。つまり中国でなくても海外のロケ先で罹患する可能性は否定できないわけです。その際の医療の体制や保証などを局に対し明確にして欲しいとお願いしているわけです」(芸能プロ関係者)

 実は高視聴率を取っているテレビ番組の4割近くが海外ロケに大きく依存しているという。

「日テレは『世界まる見え!テレビ特捜部』『世界の果てまでイッテQ!』『ザ!世界仰天ニュース』など4本以上。TBSは『世界ふしぎ発見!』、フジは『奇跡体験!アンビリバボー』、テレ朝が『世界の村で発見!こんなところに日本人』、テレ東が『YOUは何しに日本へ?』『世界ナゼそこに?日本人』など。NHKも『ホットスポット 最後の楽園』『ダーウィンが来た!』など数限りない。しかも、どの番組も視聴率が2ケタに達する人気ドル箱番組。海外にロケに行けなくなったら、とにかく制作ができなくなる。ロケのストックは1カ月分もない番組がほとんどですから、このまま病気の蔓延が進めば、いずれネタが枯渇してくるはずです」(事情通)

■若手局員は現地取材に尻込み

 一方、報道部門にとっても今回のコロナウイルスに悩まされているという。

「昔と違って、若手記者の中で今回のコロナウイルスに対する取材を嫌がったり拒否したりする者が出てきたんです。働き方改革の悪影響か、報道の使命を忘れ、権利をはき違えた若手局員が増えてしまった。仕方がないので管理職自らが現場に出向くケースもあると聞きます」(別のキー局関係者)

 AKB48が2月1日に大阪市で予定していた「大握手会」や、ジャニーズの「ストーンズ」と「スノーマン」が2~3月に予定していたイベントが延期されるなどイベントへの影響が強まる中、「新型コロナウイルス」がテレビ局本体に及ぼす影響も計り知れない。