F-14

引用元:オリコン
F-14

 国産プラモデルが1958年に産声をあげてから60余年、黎明期から現在に至るまで、その歴史を支えてきたのは戦車・艦船・航空機といったスケールモデル(※縮尺に基づいて忠実に再現した模型)だ。今回紹介するのは、「F-14(トムキャット)は戦闘機の完成系」と熱く語るZi-Zi-pacifico氏と、実際に起きた「シドラ湾事件」の1シーンを再現したショウケン氏を紹介。2人がトムキャットに魅せられた理由とは。

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■模型には10人いれば10通りの答えがある(Zi-Zi-pacifico)

 F-14のミサイル発射シーンを制作した理由についてZi-Zi-pacifico氏に話を聞くと、「使用したキットはファインモールド製1/72スケールキット。一番カッコ良く見える瞬間で展示したいと思ったので、“ミサイル発射シーン”をテーマに制作を進めました。実はこれが現用機初作品でした」とのこと。

 F-14に持っているメージは「もう退役しましたが、現行のF-22や35にはない魅力があります」と笑顔で即答。続けて、「当時の最先端技術を詰め込んだ先進性とスタイリッシュさを合わせもっている点でしょうか。戦闘機としての“完成系”というか、普遍的なキャラクター性を持ったモチーフとして今後も愛され続けると思います」と、F-14への溢れる愛情を隠さない同氏。

 ちなみに、本作のマーキングはアニメ『超時空要塞マクロス』に登場するエースパイロット、ロイ・フォッカーが統合戦争時にF-14に乗っていたら?という妄想を元にして作ったもの。公式設定では別の機体なのだが、大好きなF-14にフォッカーを乗せたくなり制作したようだ。

 では、Zi-Zi-pacifico氏にとってスケールモデルの魅力とは何だろうか。

 「2年程前、サークルの有志で映画『シン・ゴジラ』のタバ作戦(自衛隊のゴジラ迎撃作戦)のジオラマを合作する機会がありました。そこで10数人が各1両ずつ自衛隊の10式戦車を制作したのですが、もうこれが実に個性的! 同じモチーフ、同じキット、なんなら塗料を分け合ったメンバーも居たのに完成品は見事にバラバラ(笑)。細部を突き詰めた方、電飾までしてきた猛者、アンテナのサイズを間違えた奴(…それは私)、でも1台1台はまごうことなき10式戦車でした(笑)」

 同じ題材でも、人それぞれの“妄想”でまったく違うものになるのが模型制作の楽しさだと力説するZi-Zi-pacifico氏。「10人いれば10通りの答えがあって、誰が上手とか、誰の方が正確とかは関係ないんです。スケールに合わせたディフォルメをしたり、アフターパーツの取捨選択をしたり、“自分の目というフィルター”を通して思い入れのある対象を表現するだけ。だから模型って楽しいし辞められないんですよ」