「ぺこぱ」の貧乏時代 Jリーガーの同級生にイジられ“もやし生活”で肌荒れに

「ぺこぱ」の貧乏時代 Jリーガーの同級生にイジられ“もやし生活”で肌荒れに

【役者・芸人「貧乏物語」】

 ぺこぱ(お笑いコンビ)

 特異な芸風の漫才で昨年末の「M―1グランプリ」決勝で旋風を巻き起こした今年期待度ナンバーワンの若手「ぺこぱ」。ギャル男風の松陰寺太勇さん(36)は葬儀屋のバイトで年下の先輩に叱られたり、長身のシュウペイさん(32)はJリーガーの同級生にイジられたりモヤシ生活で肌荒れに悩んだり……。

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松陰寺 バンドをやりたくて山口から上京したけど、僕はギターでいろんな人とスタジオでセッションしてみたらみんなレベルが高くて、半年で諦めました。それから芸人を始め、相方と渋谷で出会いました。

シュウペイ 高校でサッカーをやり、同級生にJリーガーが3人(小林悠、太田宏介、小野寺達也)います。今も仲がいいんです。僕だけ芸人やってるので、たまに会うと「全然、売れねえな」とイジられてました。友達だから言ってくれるんですけどね。みんなが結果を残しているのに、自分だけ変わらないのがメンタル的につらかった。でも、「M―1」の決勝に出て、みんなから祝福の連絡がきました。

松陰寺 一番苦労したのは一昨年の4月。12年勤めたカレー屋が潰れ、そのあと勤めた葬儀屋の仕事がつらくて……。「芸人やってる」と伝えてもだれも僕を知らないし、派遣だったから取引先の人から「おもしろいことやれよ」とあたりがキツかったり。年下の22歳の先輩に「何もしなくていいから移動のトラックの後ろで立ってろ」と言われた時は最悪でしたね。ハハハ。「絶対に見返してやろう」と吹っ切れました。

シュウペイ 僕も前の事務所時代に「なんかおもしろいことやれよ」と振られることが多かった。おもしろいこと言っても絶対スベりましたし(笑い)。

松陰寺 1年前、期待の若手が集まる「おもしろ荘」(日本テレビ系)に出て優勝した時は、葬儀屋の人たちも「すごいじゃん!」と喜んでくれました。でも、仕事は入らなくて葬儀屋の人から「バイトしてていいの?」と聞かれてた時期もしんどかった。結局、葬儀屋は辞めました。それからはネタに集中し、昨年末の「M―1」決勝まで行けました!

シュウペイ 僕はバイト先の人からお笑いで売れるのを期待されたので、「おもしろ荘」で優勝したのに芸人の仕事が入らなかった時は忙しいフリしてバイトのシフトを週2に減らしました。本当は生活のためにバイトしたかったのに……。

松陰寺 節約でいうと僕はコンタクトレンズですけど、外国の激安のものを購入して。アレルギーが出ちゃうのでワンデーのしか使えず、月に2万~3万円かかるので、お金がよほどない時期は両目ではなくて、1つしかつけない。つけてる左目で遠くを見て、つけてない右目で近くを見ることができるようになりました。半分の出費になり、助かりました。みなさんにオススメはできませんけど。その時は人生のつらい時期だったので、あまり世の中が見えなくてもいいかって気持ちもありましたから(笑い)。

シュウペイ 僕は38円のモヤシばかり食べてました。塩コショウのみで。栄養がいかなくて、肌荒れがすごくて。ハハハ。

松陰寺 「M―1」に出られ、ベスト3に入れましたので、「今しかない!」と思います。今年、大きく売れたいですね。

シュウペイ 僕はサッカーをやってきたから好きな有名人を聞かれると、今も必ず「キングカズ(三浦知良)」と答えてます。売れて会いたいです。キングカズが「M―1」見てくれたか、気になってます(笑い)。

(聞き手=松野大介)

▽松陰寺太勇 1983年11月、山口県出身。▽シュウペイ 1987年7月、神奈川県出身。/2008年にお笑いコンビ結成。19年1月「おもしろ荘」優勝、同年「M―1グランプリ」決勝へ。