最初は270人…当日チラシ配布から始まったユーミン苗場ライブついに40周年「あっという間だった」

引用元:中日スポーツ
最初は270人…当日チラシ配布から始まったユーミン苗場ライブついに40周年「あっという間だった」

 歌手のユーミンこと松任谷由実(66)が2日、新潟県湯沢町の苗場プリンスホテルで、40年目を迎えた冬の恒例リゾートライブ「SURF&SNOW in Naeba」の初日公演を開催した。上越新幹線が未開通だった1981年に「アフタースキーライブをやってみたい」という遊び心から始めた苗場ライブだが、今は「仕事の中で最も責任のある現場です」。生みの苦しみも痛感しながら、ファンと歩んだ40年を振り返った。

  苗場ライブ40周年を象徴する「40」の文字を掲げたセットで、ユーミンは氷の世界の魔女をイメージしたシルバーのロングドレス姿で登場。これまでアンコールで歌ってきた「BLIZZARD」をいきなり歌唱し、ファン1400人の度肝を抜いた。

 会場のイベントホール「ブリザーディウム」はユーミンが命名。92年に苗場プリンスホテル内に新設された際、「吹雪のような喝采がいつも行き交っている空間にしたい」との思いで、同曲と「アトリウム」をドッキングした。

 「40周年おめでとう!!初めての人も、いつも来てくれる人も今日はお祭りだからね!!最後まで盛り上がっていこう!!」。続くメドレーには「サーフ天国 スキー天国」など、ファンが苗場で聴きたい曲を詰め込んだ。

 1回目の81年3月11、12日は当日にチラシを配布、ホテル内のワールドカップロッジで開催し、270人を集客。「『ダメならそのままスキーに行けばいいや』くらいに思っていたんですが、実現しちゃったんですよ」。85年からはファンをステージに上げ、リクエスト曲を隣で披露する名物のリクエストコーナーが誕生。黒柳徹子や井上陽水、aikoら著名人も飛び入り参加したこともあった。 最初は270人…当日チラシ配布から始まったユーミン苗場ライブついに40周年「あっという間だった」 「40th」の文字を大きく掲げた電飾セットで熱唱する松任谷由実

体調を崩しても…点滴で乗り切る

 ユーミンは40年間を「あっという間だった。新入社員なら定年。今回は始まる前から感慨深いものがありました」と語る一方で、「モチベーションを保つのはハッキリ言って難しいです」とも。2008年から12年まで5回、ゲレンデでもフリーライブを実現させたが、14年は豪雪のため2月15日の公演が初の中止に。当日はホテルに集まっていた120人のために急きょホテル内のラウンジでライブを行い、後日振り替え公演もやった。

 7年前は2公演を残して体調を崩してしまったが、点滴を打って乗り切った。「やっぱりプロですから。いろんな仕事の中で最も責任がある現場なんですよ。泊まりがけで皆さん楽しみにきてくださる。一つでも落としたら翌年はないイベントです。だからプレッシャーの方が大きかったりする。でもステージに立つと『ありがたいな』って心から思います」

 この日まで40年で285回のステージに立ち、約35万人を動員したユーミンの苗場公演は、この先も冬が訪れるたびに進化を遂げていく。