川口春奈、初大河への思い激白!川口春奈しかできない帰蝶を演じたい

川口春奈、初大河への思い激白!川口春奈しかできない帰蝶を演じたい

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・0)で、織田信長の正室・帰蝶(濃姫)役を好演している女優、川口春奈(24)が大河への思いをサンケイスポーツに告白した。出演決定後初めてインタビューに応じ、昨年11月に薬物事件を起こした沢尻エリカ被告(33)の降板により、急きょ抜てきされた心境などを吐露。重圧を試練とし、前を向いて初時代劇の撮影に臨む川口は「なるべくしてなったと思っていただけるように、最後まで演じたい」と、戦国時代を強く生きた帰蝶のように毅然と語った。

 国民的ドラマの現場に足を踏み入れてから約2カ月。凛としたたたずまいで初回から存在感を放つ川口が、秘めていた思いを初告白した。

 「戸惑いやプレッシャーはもちろんありましたが、挑戦できる場所だと確実に思いました」

 当初、帰蝶役で出演予定だった沢尻被告が昨年11月16日に薬物事件で逮捕され、降板。メディアに注目される中、同21日に新たな帰蝶役として大河初出演が決まった。

 「いろんなことがありましたけど、結果、自分が今やらせてもらっていることが本当にご縁だと思います。最後までやらなきゃなという責任も感じています」

 帰蝶は主演俳優、長谷川博己(42)扮する明智光秀の主君・斎藤道三(本木雅弘、54)の娘で、後に織田(染谷将太、27)の正妻になる重要な役。おてんば姫で2度の政略結婚など運命に翻弄されながらも、与えられた場所で爪跡を残す芯のある女性で、共通点も感じている。

 「三歩後ろに下がって歩くような大和撫子かって言われたらそうではなく、帰蝶ほど頭が良くて強くてブレないものがあるわけではないけど、自分もサバサバしているので尊敬できます」

 気が強い戦国の姫は、自身に寄せられるさまざまな賛否両論の声に正面から答えてきた川口の姿に重なる。昨年末に更新したインスタグラムには「職業柄、日々いろんな声が聞こえてきますが、全く私には刺さりません」と気丈に記した。

 「もちろん『これは違うんじゃない?』とかそういう意見を読ませてもらって受け止めますが、本当に期待してくださっている方のために、一生懸命やれればいいなって思います」

 川口は2009年に女優デビューし、多くの話題作を彩ってきたが、大河はもとより時代劇も初挑戦。昨年12月3日のクランクインに向け、所作や言葉遣いをたった2週間で一から学んだ。初回に続き、2日放送の第3回でも乗馬シーンを披露するが、練習時間はわずか2時間だった。

 「もどかしいですよね。もう少し時間をかけてやっていればもっと違ったのかな?とか。自分の気持ちの話なんですけど」とほほえむ。

 完璧を求めるがゆえ、悔しさをにじませる川口を重圧から救ったのは、座長の長谷川だという。

 「長谷川さんは『春奈ちゃんにしかできない帰蝶がある。撮り直すことになるけど、僕らも新しいシーンとしてやるから、何も気にせずのびのびやってもらって構わない。新しいシーンを作れるのがすごく楽しみ』と言ってくださって、気持ちが変わりました」

 温かく迎え入れてくれたキャストに感謝しつつ、「まだ待ち時間に共演者の方々とお話しする余裕がなくて…」と残念な表情。撮影で楽しいことを問うと「ないです」と笑うが、女優魂は燃え盛っている。

 「せっかくベテランの先輩方や素敵なスタッフさんに囲まれているので、何か持って帰りたい、吸収して帰りたい!という思いはすごく強い」

 役者として経験を積み重ね、デビュー12年目で思わぬ形で訪れた大河ドラマの大舞台は、運命の巡り合わせだ。

 「これだけ注目していただいているので、絶対にこの作品をターニングポイントにしたいし、試練をいただいたと前向きにとらえると、すごくいいタイミングだった。来年振り返ったときに、悔いなく『確実に成長させてくれたよね』って思えるように、精一杯向き合いたいです」

 何事にも目を背けず対峙してきたその凛々しいまなざしに、試練を栄光に変える決意を感じた。

 2日に第3回の放送を迎える大河ドラマ「麒麟がくる」の撮影に日々奮闘中の川口春奈(24)。インタビューでは一つ一つの質問に自らの言葉でよどみなく回答。撮影秘話や共演者との裏話、“芝居論”まで率直に語った。

 --出演が決まった際、不安と期待はどちらが大きかった

 「撮影前は(準備の)時間がなかったので、ワクワクより不安の方が大きかったかもしれないですね」

 --所作や言葉遣いは慣れたか

 「まだ慣れないですね。(立ちひざの)痛い座り方を常にしながらお芝居をするのも大変です」

 --放送は見ている

 「見たくないけど見ましたよ。初回のタイトルバックに名前が載った時が何よりうれしかった。やってよかったなって」

 --同じ役を1年間演じるのも初めて

 「未知ですが、仕事に対する責任感がより強くなっていくのかな。終わったら自信につながると思うので、ほめてあげたいなと思います」

 --大河ドラマの印象は

 「他のドラマや映画とかとはまた別物で、特殊な場なんだろうなと。ものすごいキャストとものすごいセットで、時間と人とお金が掛かっていて、壮大だなという印象です」

 --出演したかった

 「あまり思っていなかったかもしれないです。きっと成長できる場所だと思っていましたが、『出たいな』というよりも『すごいな』という一視聴者として見ている感じでした」

 --プレッシャーに押し潰されそうになった

 「最初はなりましたよ。でも応援してくれる方の方が圧倒的に多いから大丈夫だと思いました。ハートが強い? ハートというか気が強い(笑)」

 --家族や周囲の反響は

 「いろんな方から『見たよ!』って連絡がきました。『大河ドラマを今まで見たことなかったけど、思ったより面白くて』とか。戦国時代って面白いじゃないですか。だから『これからも見るわ』とか言ってもらえてよかったです」

 --長谷川から缶ビールの差し入れがあったとか

 「スケジュールがハードで遅くまで撮っていたときに気を使ってくださって。長谷川さんから『お酒好きなの?』と聞かれて、『ビールは飲みます』と言ったら『じゃあ1杯やる?』って感じで、スタジオの隣の部屋でスタッフさんたちと乾杯しました。そういうお気遣いはやっぱり座長。尊敬しています」

 --共演者と食事は

 「まだです。(ナインティナインの)岡村隆史さんのインスタで長谷川さん、堺正章さん、門脇麦ちゃんとお食事に行かれているのを見て、『超いいなぁ』と(笑)。今度は一緒に行きたいなってすごくと思いました」

 --昨年末のインスタにつづっていた「私しかないストロングポイント」とは

 「帰蝶という役もそうですし、今までやってきた役もこれから出会う役も、演じる人によって全然違う作品になると思うんです。それがすごく面白いなって思うので、求めてもらう以上は、自分にしかできない感じ方で真っすぐウソなくやっていけたらいいなと思いますね」

 --「最高の一年にしたい」という言葉もあった

 「自分のことを知ってもらえるタイミングでもあると思いますし、何より大事に大事に作っている作品をもっといろんな方に届くように、微力ながら貢献できたら。本当に最高の一年にしたいです」