【8つの頂へ】藤井聡太七段 今泉四段破り今年度勝率8割に 棋王戦予選2回戦

引用元:中日スポーツ
【8つの頂へ】藤井聡太七段 今泉四段破り今年度勝率8割に 棋王戦予選2回戦

 将棋の高校生棋士・藤井聡太七段(17)は31日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された第46期棋王戦予選7組2回戦で今泉健司四段(46)に173手で勝利。これで今年度の成績を40勝10敗とし、勝率をちょうど8割とした。現在、今年度の勝率ランキングでトップに立っており、最終的に8割の大台をクリアすれば、3年連続の快挙となる。

【写真】子どもたちへアドバイスする藤井聡太七段

 棋王戦は2月1日、渡辺明棋王(35)に本田奎五段(22)が挑む第45期の五番勝負が開幕するが、その前日、第46期の挑戦権獲得へ向け白星発進を決めた藤井七段。前期は予選決勝で都成竜馬六段(30)に苦杯をなめただけに、まず目指すは本戦入り。それにはあと3勝が必要となる。

 盤上は後手・今泉四段が三間飛車を採用したのに対し、藤井七段は左美濃に構えた。両者とも銀冠に組み合うと、互いに手を出しにくい膠着(こうちゃく)した展開に。それでも何とか局面を打開しようと長考を重ねた藤井七段は、残り時間でも大差が開くなど苦戦を強いられたが、そこから力を発揮するのが強者のゆえん。勝負手連発から激戦に持ち込むと、最後は力で押し切った。消費時間は藤井七段3時間59分、今泉四段3時間16分。終局は午後7時37分だった。

 「仕掛けてからかなり苦しい局面があった」と振り返った藤井七段。本戦入りへの意気込みを聞かれると「そこを目指して頑張っていければ」と答えた。

 棋王戦は予選を勝ち上がると、シードを加えた挑戦者決定トーナメントに進むが、これが独自のシステム。ベスト4に入ると2敗失格制で、1度負けても敗者復活戦に回れる。挑戦者決定戦は変則二番勝負で、勝者組優勝者は1局勝てば挑戦権を得るが、敗者復活戦優勝者は2連勝しないと挑戦者になれない。棋王とその優勝者による五番勝負は、例年2~3月に行われる。