地球温暖化がもたらしている今年の暖冬… もっと危機感をもたなければ!

引用元:夕刊フジ
地球温暖化がもたらしている今年の暖冬… もっと危機感をもたなければ!

【酒井千佳の気分は明朗快晴】

 1月終わりから2月の初め頃までは、1年で最も寒い頃。とはいえ、今年の冬はいつもと比べるとそれほど寒さが厳しくないですね。暖冬が続いています。

 東京では今シーズン、最低気温が氷点下の冬日がまだありませんし、初氷の便りも届いていません。これまでにない遅さで記録的です。一方、西日本では1カ月以上早くタンポポが咲いたところも。早くも春のような、おかしな感じです。

 寒くないというのは体にとってはいつもより楽でありがたいですが、やはり問題もたくさん出てきています。

 スキー場では雪不足で営業に支障が出ているという報道を目にしますし、農家では冬野菜が豊作で価格が下がり、困っているといいます。

 また今、雪が降らなければ、今後雪解け水が少なくなり、夏の水不足につながりかねません。

 この暖冬の理由は、偏西風の蛇行。日本付近でいつもより北側に偏っているため、寒気がなかなか南下せず、暖かさが続いています。その一因は、やはり地球温暖化だと考えられます。地球温暖化によって極端な気候になり、これまで起こらなかったことが起こっている。かなり深刻な問題だと思います。

 地球温暖化というと、どうしてもひとごととか将来のことと考えてしまいがちですが、今、実際にこのようにたくさんの影響が出てきてしまっているわけで、もっと危機感を持たなければいけないと思います。

 来月も引き続き全国的に暖冬傾向で、日本海側の雪が少ない状態も続きそうです。それだけでなく、現在発表されている3カ月予報によると、4月にかけても暖かい傾向が続く予想です。異常ともいえるこの状態が続くと、その影響がどう出てくるのか、帳尻を合わせるようにまた極端な気象現象が起こらないか、とても心配です。

 このまま春まで暖かいとなると、今年は桜の季節も早まるのか…ただ休眠打破といって桜が咲くためには一定の寒さも必要なので意外と早くないのかも…今年は桜の予想も難しくなりそうです。

 ということで、今日の心もようは「曇り」。

 ■酒井千佳(さかい・ちか) 気象予報士、フリーアナウンサー。1985年5月18日生まれ。兵庫県出身。京大工学部建築学科卒業後、北陸放送、テレビ大阪での局アナを経て、2012年4月、フリーに転身。アナウンサー1年目に取得した気象予報士の資格を生かし、「Oha!4 NEWS LIVE」(日本テレビ系)、「おはよう日本」(NHK)に出演。

 現在は「Live News it!」(フジテレビ系)の「お天気コーナー」レギュラー。

 座右の銘は「為せば成る」。