長谷川京子 “モテ服”をいいと思っている男性は「私からしたら“ない”。それは無理」

引用元:TOKYO FM+
長谷川京子 “モテ服”をいいと思っている男性は「私からしたら“ない”。それは無理」

ミュージシャン、デザイナー、作家、俳優、職人など、異なるフィールドを舞台に活躍する“ふたり”が語らうTOKYO FMの番組「三井ホーム presents キュレーターズ~マイスタイル×ユアスタイル~」。2019年12月27日(金)放送のゲストは、女優・長谷川京子さんと脳科学者・中野信子さん。“恋愛の脳科学”について聞きました。長谷川京子さんは、ドラマを中心に数多くの映画やCMに出演。最近では、MCをつとめるなど、活動の幅を広げています。一方、脳や心理学をテーマに研究や執筆を精力的におこなっている中野信子さん。科学の視点から、人間社会で起こりうる現象や人物を読み解く語り口に定評があり、メディアにも数多く出演されています。

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長谷川:男性が“俺が守ってやらないと”っていうのは、何なんでしょうね。

中野:その話のフレーズを聞くたびに、いつも“守られたいのは、本当は男のほうなんじゃないかな?”って思うんですよね。人類の長い歴史のなかで、現代の都市生活者は、女性が男性と対等に働くことができる。もしくは、それ以上の働きができることが、構造としてあるんですよね。

かつては肉体労働が大きな割合があったので、どうしても男女の非対称性が経済力に反映されることがあります。特に戦乱が続く場合は、女性は男性に守ってもらわないといけないと考えられる。ただし、その構造が今の先進国における都市生活者でどうかと言うと、心を守ってもらうのは男性のほうなんじゃないかな。

長谷川:実際にそう思います。男性の心を女性が守ってあげるべきだと思うし、ちょっと前に雑誌などで“モテ服”が取り上げられたり、“〇〇をしたらモテる”とか言われていましたがちょっと言葉を濁せないんですけど、私からしたら“気持ち悪いな”って思うところを、男性が本当にいいと思ってるんだとしたら、自分はない。それは無理だな。

中野:わたしも無理です。

長谷川:“清楚”や“上品”なものというなら、わかります。清潔感は、やっぱりあったほうがいいと思うし、それは日本特有なのかしら? 海外に行ったら男性ってもうちょっと……。

中野:と思うでしょ? これ、ユニバーサルなんですよ。

長谷川:そうなんですか! どこの国の人も自分を超えられたくないんですか。

中野:アメリカのとある商業誌に、ヒラリー・クリントンの写真を有権者に見せたときに、男性と女性の脳が、どんな反応を示したかというMRIを載せたことがあって。

ちゃんとした論文ではないので批判されたんですけども、ある一定の傾向を示せると思って、非常に興味深かったんですよ。女性は概ねヒラリー・クリントンのことを好意的に見ていることがわかるような反応パターンだったんですね。男性は、彼女の写真を見たときに、イラつき、妬みという感情を司るところが活性化していて。

長谷川:ハリウッドでも、女性と男性の俳優さんでは、収入が全然違うとか、あるようですしね。

中野:同じ職業をしていても、女性のほうが賃金が低い。どれくらい少ないかと言うと、各国2割強くらいですね。日本では26%。

長谷川:私が知り得る今の自分の世界で言うと、もちろん有能な男性もいらっしゃいますけども、女性のほうが細かいところに目が行くし、先のことが考えられる。もしかしたら、それぞれの用途が違うからか、お互い認め合ったら、その「用途×2」になるんじゃないかなと思うんです。

中野:“お互いに得意なことをやったらいいじゃない?”って思いますよね。

長谷川さんの最新写真集「Just as a flower」(宝島社)、また、中野さんのロングセラー書籍「あなたの脳のしつけ方」(青春出版社)が文庫化され発売中です。

(TOKYO FMの番組「三井ホーム presents キュレーターズ~マイスタイル×ユアスタイル~」2019年12月27日(金)放送より)