柿本監督が語る「BanG Dream! 3rd Season」へのこだわり「現場にも『やりきったかい?』という空気がある」

引用元:AbemaTIMES
柿本監督が語る「BanG Dream! 3rd Season」へのこだわり「現場にも『やりきったかい?』という空気がある」

 大きな目標に向かって走る女子高生バンドの青春を描いたアニメ「BanG Dream! 3rd Season」の物語もいよいよクライマックスへ。戸山香澄が率いるPoppin’Party(以下ポピパ)は、武道館のステージに立ち、最高の音楽(ユメ)を撃ち抜くことができるのか――? 第2期に続き、「BanG Dream! 3rd Season」を手掛ける柿本広大監督がライブシーンのこだわりや、見どころなどについて語った。

―柿本監督は、「BanG Dream! 2nd Season」「BanG Dream! 3rd Season」と監督を担当しています。第2期を経て、3DCGを使った表現面で手応えはありましたか?

 柿本 第1期は地に足ついた学生ドラマでしたが、第2期からは新キャラがたくさん加わったぶん、世界観の幅も広がりました。例えばギャグの表現でいうと第2期#4の“ハロハピ回”のような物理的にギリギリありやなしやのところを経て(笑)、「3DCGでギャグはここまでやっていんだ」というのが見えた気がします。

 また音楽シーンでは最初、キャラの表情や演奏をなるべくストレートに見せるような映像作りをしていました。でもRAISE A SUILEN(レイズアスイレン、以下RAS)やRoseliaのように世界観を作り込むバンドの音楽シーンとなると、「入場はこうしよう」とか「バックにこういう映像を流してみよう」とか舞台を作る楽しさも生まれてきます。第3期ではポピパとRASそれぞれの「劇中MV」を作ったりと、演奏の見せ方一つについてもキャラの成長に合わせて少しずつ幅を広げていっています。それが表現できるのも、少しでも面白いアニメになるように各スタッフが挑戦を続けて頂いているお陰です。

―ライブシーンや劇中MVも手掛けるとなると、普段のアニメ作りとはまた違った演出の力が求められそうですね。

 柿本 そうですね。だんだんスタッフの皆さんもこなれてきて、ライブ映像のようなカット割りをしてみたり、ステージ全体の演出を生かしてみたりと、遊びを入れる余地が生まれてきたのが良い感じです。ただ、荒唐無稽にならないように暗黙のルール付けは有りまして、第2期最終話でハロー、ハッピーワールド!のステージでこころがお客さんの上を飛ぶのとか、ライブハウスに特殊な梁がないと不可能じゃないですか。でも、あの場所はもともと青果店のバナナなどを寝かせておくための倉庫だった…などの裏設定を踏まえ、その強度であれば不可能ではないな…とか、あくまで理屈上でのリアリティは考えつつ、より楽しい演出をどん欲に取り込んでいくという感じです。

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