市川海老蔵、歌舞伎×オペラの世界初舞台挑戦 團十郎襲名前公演で「最後にふさわしい仕事に」

引用元:オリコン
市川海老蔵、歌舞伎×オペラの世界初舞台挑戦 團十郎襲名前公演で「最後にふさわしい仕事に」

 東京2020組織委員会は29日、都内で東京2020 NIPPONフェスティバル「KABUKI×OPERA『光の王』Presented by ENEOS」発表会を開き、公演概要を説明した。4月18日午後5時から、東京・東京体育館で行われる本公演は「大会に向けた祝祭感」をテーマに、歌舞伎とオペラという東西を代表する舞台芸能を融合し世界初の舞台を実現する。主演を務める市川海老蔵は「これが1つのオリンピック、パラリンピックが盛り上がる1つの起爆剤になれば」と期待を寄せた。

【写真】歌舞伎×オペラが融合…パネルと共に発表した市川海老蔵

 公演は善と悪の対決を描いた壮大な物語で、伝統的な歌舞伎の数々の名作をベースとしながら、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式イベントにふさわしい“祝祭感”のある物語を新たに創作。歌舞伎のストーリーの中に日本人にも馴じみ深いオペラの楽曲を折り込むことで、一体となって盛り上がる舞台にする。海老蔵は「今回のオリンピックのテーマである多様性と調和、レガシーという言葉を作品に入れて制作できればと思う。大変大きなお仕事だという緊張感を感じている」と本音を語った。

 異なる芸術の融合に試みるなど、本公演は「挑戦とは何だ。」がキャッチコピー。海老蔵は「昨今、挑戦しづらい世の中になってきている気がする。挑戦すると周りから言われる風潮が強い」と指摘。「これを機に何を言われても動じないようなことに挑戦していく。己もそうですし、オペラ、歌舞伎の方々も、新しいことに挑戦することになる。大きく羽ばたくことを願って制作に入るのはものすごく“挑戦”という言葉が合っているのではないか」と思いを語った。

 5月に十三代目市川團十郎白猿を襲名する海老蔵は「4月はまだ海老蔵。團十郎白猿のことは考えていなかった」と笑顔で前置きし、「海老蔵として最後の舞台なので、“思いを切る”つもりでやる。市川海老蔵として最後にふさわしい仕事となれるよう務めていきたい」と力強く意気込んだ。

 出演を予定しているソプラノ歌手のアンナ・ピロッツィとバス・バリトン歌手のアーウィン・シュロットからのビデオメッセージも放映された。

 同フェスティバルは今夏に開かれる同競技大会に向け機運を醸成し、国内外へ日本のさまざまな文化をPRすることを目的としている。同競技大会の公式文化プログラムで、世界の注目が東京に集まる3月下旬から9月にかけて実施される。本公演は、同委員会が主催する4つのプログラムの中の1つ。そのほか国内の自治体など行う共催プログラムもある。

 チケットは2月14日から抽選を受け付ける。一般発売は3月7日から始まる。