映画「嘘八百」第2弾出演の加藤雅也に直撃「老いにあらがうより利用したほうがいい」

映画「嘘八百」第2弾出演の加藤雅也に直撃「老いにあらがうより利用したほうがいい」

 俳優の加藤雅也(56)が31日に公開される映画「嘘八百」の第2弾「嘘八百 京町ロワイヤル」に出演する。さえない古美術商(中井貴一=58)と陶芸家(佐々木蔵之介=51)の骨董コンビと敵対する悪徳古美術商を演じた加藤を直撃した。

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「嘘八百」シリーズは関西弁で展開。

「僕も出身が奈良なので、関西弁だとスムーズな部分も多いです。関西弁だとリズムがありますから、意地悪なニュアンスとか、どこか憎めないところとか出せるのがいいかもしれませんね。(共演した)坂田師匠はいつものままで自由だし、みなさん面白がって演じていて現場は楽しかったです」

 今回は古美術店社長というなかなか渋い役どころだ。

「50代を強みにした役かもしれません。僕は老いにあらがうより、老いを利用した方がいいと思うんです。若い人にはないものといえば、シワだったり、白髪だったり、そういうものが武器になる」

 “老い”を感じることはあるのだろうか?

「ありますよ。45、46歳ぐらいから歩くことが運動だと感じるようになりました。古いビルで小さなエレベーターに乗るより、歩こうとすると、今までは8階でも気にならなかったものが、4、5階を越えるとしんどくなりました」 映画「嘘八百」第2弾出演の加藤雅也に直撃「老いにあらがうより利用したほうがいい」 © 2020「嘘八百 京町ロワイヤル」製作委員会  アンチエイジングのために日頃心がけていることは?

「人間は破綻しているほうが面白かったり、ドラマチックだったりしますから、役者としては健康で元気ハツラツがいいとは限らないんです……ただ10年、20年先も舞台に立てるよう、1駅分歩いたり、できるだけ階段を使ったり、生活に密着した形で足腰を使うようにしています。別に腹筋を割る必要はないんです。ただ、歩けるけど歩けないフリ(演技)はできるけど、歩けないのに歩けるフリはできないですから、足腰だけは大事かなと。そこは“本物”で立っていたいんです」

 見どころは?

「最後の大逆転ですね。器の贋作をめぐるダマし合いで“そこもウソやったんか!”っていうオチがいくつもあって、ものの本質が見えてきます。これ以上は言えないのでぜひ映画館で“本物”を見てください」

(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)

▽かとう・まさや 1963年、奈良県生まれ。「メンズノンノ」創刊時にモデルを務め、メンズモデルブームの火付け役に。近年ではNHK大河ドラマ「いだてん」や、連続テレビ小説「まんぷく」などに出演。