勘九郎「愛憎劇の中に美しさがある舞台」 3年ぶりの赤坂大歌舞伎は「怪談 牡丹燈籠」

引用元:スポーツ報知

 歌舞伎俳優の中村獅童(47)、中村勘九郎(38)、中村七之助(36)が28日、都内で赤坂大歌舞伎「怪談 牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」(5月5~24日、TBS赤坂ACTシアター、演出・源孝志)の製作発表を行った。

 「牡丹燈籠」は明治時代に初代三遊亭圓朝が創作した落語の怪談。美貌の娘の幽霊・お露(つゆ)が、げたの音を響かせて、愛しい男・萩原新三郎を訪れるシーンが有名で、1892年に初めて歌舞伎化された作品。今回は獅童が宮辺源次郎と伴蔵、勘九郎が黒川孝助と萩原新三郎のそれぞれ2役を、七之助がお露、お国、お峰の3役を演じる。

 赤坂大歌舞伎は3年ぶり6度目の開催。故・中村勘三郎さん(享年57)が「芸能の街、赤坂で歌舞伎を!」と08年に始め、12年に勘三郎さんが他界してからも、勘九郎、七之助が遺志を継ぎ新たな歴史を切り開いてきた。勘九郎は「赤坂で芝居が出来るのはありがたい。父が亡くなって、もう赤坂大歌舞伎はできないと思っていた。次につながるか心配だったが、前回の公演で色々な方向に行けると確信した。今回はどろどろとした愛憎劇の中に美しさがある舞台」と自信をのぞかせた。

 「牡丹灯籠」は昨年10月にはNHK・BSプレミアムでドラマ化され、七之助が新三郎を演じ話題を呼んだ。七之助は「昨年5月の撮影の時に(ドラマの演出も手がけた)源孝志さんと世間話の勢いで(ドラマと同じ内容を)歌舞伎にしたら面白いと話していたが、いつかやりたいってレベルの話でした。こんなに早く決まってビックリしている反面、このスピーディーさ大事にしたい」と意気込んだ。

 7年ぶりの赤坂大歌舞伎出演となる獅童は「気心が知れた仲間で芝居が作れるのは胸が膨らむ。歌舞伎ファンの間でも人気の高い演目ですし、新たな牡丹灯籠になるのでは」と抱負を語った。 報知新聞社