フィギュアスケーターのグレイシー・ゴールド、摂食障害を乗り越えて復活

引用元:ELLE ONLINE
フィギュアスケーターのグレイシー・ゴールド、摂食障害を乗り越えて復活

2014年のソチオリンピックの団体で銅メダルを獲得、個人では4位入賞を果たしたグレイシー・ゴールド。2014年と2016年の全米選手権でも優勝を果たしたが、2017年から2018年にかけてのシーズンから不安障害やうつ病、摂食障害のために欠場、表舞台から姿を消していた。その彼女が先週から開幕した全米選手権に出場、11位に入った。

【写真】摂食障害を乗り越えて強くなったセレブたち フィギュアスケーターのグレイシー・ゴールド、摂食障害を乗り越えて復活 グレイシー・ゴールド(Gracie Gold)GETTY IMAGES アメリカの女子フィギュアスケート界の女王だったグレイシーにとって、11位という数字はもちろん自己最高記録ではない。でもフィギュアスケートは数多くのスポーツの中でも特に、一度競技生活を離れると復帰は難しいと言われる世界。その中で、メンタルヘルスの問題を乗り越えて復活した彼女を観客たちはスタンディングオベーションで祝福した。グレイシーも観客たちの拍手と声援に思わず涙。「正直に言ってとても圧倒された。これまで他のどこにも自分が存在していると感じられなかった。でもわたしはあの瞬間、あの場に存在できた。観客たちの反応で自分がとても力強く感じられた」と試合後に話した。さらに「これはとても大きな出来事だと思うわ。スケートでスタンディングオベーションはあまりないから」。観客たちの温かい反応に力をもらったと語っている。

摂食障害との闘いについても告白しているグレイシー。「太り過ぎのスケーターを目にすることがないのには理由がある」とフィギュアスケート界では「太ってはいけない」という暗黙の了解があると話している。「私はこれまでずっと体重の問題と格闘してきた。トリプルに挑戦するのはただ難しいだけ。でも私が闘わなくてはいけなかったのはそれとは別の、演技として判断されるべきではないものだった」。 フィギュアスケーターのグレイシー・ゴールド、摂食障害を乗り越えて復活 グレイシー・ゴールド(Gracie Gold)GETTY IMAGES 治療を経て、今では子どもの頃に持っていたスポーツへの意欲を取り戻したという。「スポーツの美しさは結果が分からないところ。そして知る必要がないところだと思う。わたしはその日にできることを1つ1つ頑張って果たしていくだけ。そして手にした2度目のチャンスが私をどこに導いてくれるのか見るだけ」。

グレイシーのライバルでソチオリンピックではチームメイトとして共に活躍したアシュリー・ワグナーもTwitterで「あなたの演技に息を飲んだわ。あなたを誇りに誇りに誇りに思っている」と称えている。ちなみにアシュリー自身も昨年8月に元フィギュアスケート選手のジョン・コフリンから性的暴行を受け、そのトラウマに苦しんでいることを告白している。

グレイシーは来シーズンも現役を続けると話している。「私たちはそのチャンスを自分たちで掴んだと思っている」。来シーズン、どんな活躍を見せてくれるのか楽しみにしたい。