小栗有以「AKB48巻き返しの章を作りたい」2度目ソロコンで圧巻の世界観

引用元:MusicVoice
小栗有以「AKB48巻き返しの章を作りたい」2度目ソロコンで圧巻の世界観

 AKB48小栗有以(18)が26日、TOKYO DOME CITY HALLでソロコンサート『AKB48 小栗有以ソロコンサート ~YUIYUI TOKYO~』を開催。透過スクリーンを使ったダイナミックな演出や、3人の振付師による新たなダンスパフォーマンスを見せて魅了。更に、総監督・向井地美音が語った「それぞれにアイドルとしての物語がある」と言う言葉を引き合いに「私も分厚い一冊ができるようにしたい。AKB48巻き返しの章をメンバーと皆さんとで作りたい」と意気込んだ。なお、18日から9日間にわたり同所で行われてきた『AKB48グループTDCホールライブ祭り』は小栗を取りに全日程を終了した。

 全曲を終え「ああ、終わっちゃった…」と名残惜しみながらファンとの別れを告げた小栗のソロコンサートは全てこの言葉に凝縮されていた。アンコールを含めた全26曲、あっという間に駆け抜けた。それもそのはずだった。ただ触れ合うだけでなく、透過スクリーンやプロジェクトマッピングを使った目を見張る演出や、新たなダンスパフォーマンスにも挑むなどその世界観を夢中にさせた。

 ステージいっぱいに張られた透過スクリーン。開演時刻を過ぎると明かりが落とされると、透過スクリーンの先に小栗。白のスポットライトを浴びる。そのなかで「百合を咲かせるか?」を歌う。小栗の目の前に映し出される歌詞。圧倒的な世界観が繰り広げられる。続く「バラの儀式」で透過スクリーンが全て落ち、今度はステージいっぱいが真っ赤に染まる。その中で情熱的に歌う小栗、まさに圧巻だった。

 あっという間に4曲が過ぎた。小栗は「再びこのステージに立たせて頂き嬉しいです」と語り、『AKB48グループTDCホールライブ祭り』の締めくくりとして「最後に相応しいパフォーマンスを頑張りつつ、楽しみましょう!」と呼びかけた。

 ここで映像。小栗がなぜ「カントリーマアム」が好きになったのかという物語調の映像が流れあとに制服姿で「ぐ~ぐ~おなか」、更に「06.キスだって左利き」などを届けた。この間、トロッコに乗ってファンの声援に応えていた。

 「ラッキーセブン」ではステージが海賊船に。ちょうど船首にあたる2階ステージに海賊に見立てた衣装に身を包んだ小栗が立ち、堂々と披露した。同曲は、「ヘビーローテーション」のカップリングに収録されていた曲で、衣装は前田敦子がMVで着ていたものだという。「この歌が好きなのと、前田敦子さんの衣装が好きだから着させて頂きました。前田敦子さんのぬくもりやパワーを頂いて引き続き頑張りたい」と意気込んだ。

 ここからは新たな試みが繰り広げられる。振付師3氏とのコラボだ。3氏は映像でコメントを寄せ、今回のポイントと小栗の印象を語った。IZ*ONEなどの振付を担当したRuu氏はK-POP的な要素のあり「大人な色気とスピードでごまかせない」振付のもとで「ラスティックの唇」を披露。

 STU48などのMVで振付を担当した辻本知彦氏はコンテンポラリーダンス。バレエの経験がない小栗だが、辻本氏は1回目から2回目のリハで明らかに変わったとし「キラキラして彼女にしかできない表情がある」と称えた。そのなかで小栗は「この涙を君に捧ぐ」を、ステージいっぱいに使い表現してみせた。

 乃木坂46「インフルエンサー」などの振付を担当したseishiro氏はジャズダンス。「力で止めるところをジャズの場合は抜く。止まりたくなるところをあえて抑えて止める」とし、小栗の指導では「振付は洋服にしかしすぎない。どう着こなすかは自分次第」と語っていた。同氏から「目の奥が強い」と言われた小栗は「すべては途中経過」を可憐に披露した。

 最後は「ずっとやりたかった」という小栗考案の振付で「抱きしめちゃいけない」を披露した。

 このセクションを終え「緊張しました。いつも踊っているダンスとは、動きももちろん、表現も違う。最初はうまくできない自分が悔しかった。いっぱいご指導いただいて勉強になったし、気づけなかったことに気づいて。この挑戦はして良かった」と胸を張った。

 そして「わたしの好きなアーティストさんの曲を歌いたい」と大原櫻子の「瞳」。星空浮かぶなかで歌い上げ、続けて「愛する人」へ。高音の突き抜ける透き通った歌声で魅了した。一転、「ハイテンション」はプロジェクトマッピングでレンガの壁が作られ、ペンキの色に服が染まる演出も。更に「Teacher Teacher」で盛り上げると「まだまだ声をだしてくれますか!」と呼びかけ。

 これまでの歩みを振り返る映像が流された後、客席から「好きだ 好きだ 好きだ」などを届け、いよいよ佳境。「ごめんね、好きになっちゃって…」、「法定速度と優越感」で盛り上げ、「47の素敵な街へ」。そして「最初のうちは緊張したけどみなさんの声援やで溶けてきました」と語ってから「次の曲はわたしの好きな言葉がたくさんあって…」とピアニストの伴奏で「アリガトウ」。焚かれるスモークに光が屈折し幻想的な空間を作った。そのなかでしっとりと丁寧に歌う小栗。本編は思いの乗ったバラードで終えた。

 アンコールでは、この春高校を卒業する予定であることから「現役では最後」と制服姿でフレッシュに「制服の羽根」「EN02.夢へのルート」を披露した。

 MCでは、「私以外だれもいな。心細い。でもみなさんの顔やうちわ、声援がみえたりきこえたり、それで心細さはなくなりパワーになった。この日迎えられたのはみなさんのおかげ。ありがとうございます」と感謝。

 続けて「最近では先頭でたたせていただく機会が増えてありがたい。振り返ってみれば、目立つものを持っていたわけでもなく、48が大好きな中学1年生だった。そんな私を、たくさんメンバーがいるなかで見つけて応援してくれて」とし、総監督・向井地美音が語った「それぞれにアイドルとしての物語がある」と言う言葉を引き合いに「わたしも一冊の本、分厚い本ができるように、ポジティブに頑張りたい。AKB48巻き返しの章をメンバー、そして皆さんと作っていきたい。これからもうれしい報告や恩返しができるように」と力強く語った。

 改めて「あっという間に終わりすぎて夢みたい。ほんとうに感謝。終わるのが寂しくて、ずっとMCしちゃう。得意じゃないけど…。さびしいけど最後の曲です」と言いつつ「聞いてみたかったことがあった」と、前回のソロコンに来たか確認。その上で「成長していましたか!」と聞き、歓声が上がって「うれしい。ありがとう」。

 意を決したように「わりたくない、でもいくしかない」と、ラストは「大声ダイヤモンド」。大盛り上がりのなか終わりを迎え「終わっちゃった。またできるように」とファンとの別れを名残惜しそうにしつつも、最後は笑顔でステージを去った。