“婚活”描く『りぼん』漫画に少女共感 SNS評価で「他人気にする」恋愛観のリアルさに支持

引用元:オリコン
“婚活”描く『りぼん』漫画に少女共感 SNS評価で「他人気にする」恋愛観のリアルさに支持

 少女漫画誌『りぼん』で2019年6月号より連載中の『初×婚(うい×こん)』が今、読者からの人気を集めている。高性能なマッチングシステムを用い、生徒が『結婚を前提に恋愛』をするという今までの少女漫画にはなかった新感覚な設定、先の読めない展開が読者の心を掴み、連載作品のなかでも人気はトップクラス。連載9話目までで雑誌の顔となる表紙を既に2度、巻頭カラーを3度も飾ることは“異例”で、ヒットの兆しをみせているという。なぜ、少女漫画の王道である「恋愛」ではなく「結婚」をテーマにしたのか?を作者・黒崎みのり氏と担当編集者に聞くと、「家族愛」のテーマにもつながった黒崎氏の病気の経験と読者層の小・中学生の恋愛観を明かしてくれた。

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 同作は、DNAデータや心理テスト結果などをまとめたマッチングシステムで選ばれた男女2人のカップルが、入学時から寮生活するという特殊な学校を舞台に、3年後に最も優れたカップル「金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)」に選ばれることを目指すストーリーだ。これに選ばれると、卒業と同時に“入籍&IT大企業の社長の座が約束”されている。

――『りぼん』読者の年代(小学校の高学年から中学生)を考えると、異性に興味を持ち始めコイバナなどが楽しい時期だと思います。なぜ、恋愛より結婚をテーマにしたのでしょうか? キャッチコピー「結婚を前提に恋が、はじまる」のように、ティーン世代に向けて婚活を伝えることは理解し難い気もしますが。

【黒崎】まず、担当さんと私が結婚を題材にした作品が好きだというところから構想は始まりました。読者層に対して「恋愛より先に結婚について考える」設定というのは、確かに唐突だと大人は思うかもしれませんが、読者のティーン世代は“結婚”のワードに意外と違和感や抵抗感がないと思います。好きな人ができて、付き合えたら、その人と結婚してずっと一緒にいたいな、と素直に思える世代なのではないでしょうか?みなさん経験があると思うのですが、好きな男の子の名字と自分の名前をあわせてみたり、自分の名字に男の子の名前をあわせてみたり、将来生まれてくるであろう子どもの名前を考えてみたり…(笑)。

【担当】「理解し難い」と思うのは、歳を重ねてリアルな結婚観が生まれてくる大人だからこその感想。この漫画を婚活漫画と思って読んでいるりぼん読者は、いないと思います。イベント等でりぼん読者に『初×婚』の感想を聞くと、結婚をそんなに意識せず、キュンキュンできる恋愛漫画として読んでくれています。

【黒崎】もちろん、「結婚」をファンタジーにはしたくないので、現実的なことも意識しています。今、女の子は16歳で結婚ができるのですが、将来、男女ともに18歳にならないと結婚ができなくなる可能性があります(※民法改正 施行前)。主人公が16歳でいきなり結婚するという設定にもできましたが、16歳だと数年後に読み返した時に「時代が古いな~」と思われるかもしれない。そういう時代背景についても考慮しながら、担当さんと打合せを重ねていきました。

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