ティルダ・スウィントン、故デレク・ジャーマン監督のコテージの存続に立ち上がる

引用元:ELLE ONLINE
ティルダ・スウィントン、故デレク・ジャーマン監督のコテージの存続に立ち上がる

HIVに感染していることがわかった1986年に移り住み、1994年に亡くなるまでイギリス南部の村ダンジェネスの小さな家で暮らしていたデレク・ジャーマン。周囲は灯台や原子力発電所があるだけの荒涼とした地である。ジャーマン監督はこの家をプロスペクトコテージと名付け、コテージの前にダンジェネスの風景に着想を得て庭を作った。この庭は1990年の映画『ザ・ガーデン』にも登場し、最後の著作『derek jarman’s garden(原題)』のテーマになっている。 ティルダ・スウィントン、故デレク・ジャーマン監督のコテージの存続に立ち上がる GETTY IMAGES ジャーマン監督が亡くなった後、コテージは監督の晩年のパートナーだったキース・コリンズに譲られた。でもコリンズが2018年に亡くなり、売りに出されることに。監督が暮らしていた当時の姿や監督の愛した庭が失われる可能性が高まり、イギリスのチャリティ組織「アートファンド」と監督のミューズだったティルダ・スウィントンらがコテージを維持するためにクラウドファンディングを開始した。目標額は350万ポンド(約5億円)で今年3月末までに集めたいとしている。今週初めにスタートし、約2日で約半分が集まった。 ティルダ・スウィントン、故デレク・ジャーマン監督のコテージの存続に立ち上がる courtesy of Slade Painting via Instagram ティルダは最初にジャーマン監督と一緒に、ダンジェネスに住む監督の友達を訪ねた帰り道にこのコテージを見つけたと語っている。「ロンドンに帰るために車を走らせているとき、道の側に黄色の窓枠のある小さな黒い木のコテージをほぼ同時に発見した。海に面して立っていて『売家』という立て札が家の礎のところに出ていた。私はすぐに車を止めて、何も言わずに家のところに引き返しました。ドアをノックするとかわいらしい女性が出てきて案内してくれた。家全体を見るのに15分もかからなかったと思う」。その後、ロンドンに着く前にジャーマン監督は家を買うことを決意していたという。 ティルダ・スウィントン、故デレク・ジャーマン監督のコテージの存続に立ち上がる photo : courtesy of NationalHeritageMemorialFund via Instagram 晩年のジャーマン監督のインスピレーションの源だったこのコテージ。今後もこの姿で残されることを祈りたい。
(text : Yoko Nagasaka)