「龍が如く」最新作はドラクエが如し! システム一新“RPG化”で大作はどう生まれ変わったか…「龍が如く7 光と闇の行方」

引用元:スポーツ報知
「龍が如く」最新作はドラクエが如し! システム一新“RPG化”で大作はどう生まれ変わったか…「龍が如く7 光と闇の行方」

 シリーズ累計1200万本出荷を誇る人気の任侠アクション大作が、革新的な進化を遂げた。「龍が如く」の最新作はなんとRPGだ。国民的RPG「ドラゴンクエスト」をリスペクトした「龍が如く7 光と闇の行方」では、ゲームシステムだけでなく主人公も、主となる舞台も一新。「龍」と「ドラゴン」の大胆な合体がもたらしたものとは―。

 伝説の極道・桐生一馬を主人公とした「龍が如く」は2005年に第1作が発表され、16年の「龍が如く6 命の詩。」で一区切りがつき、これでシリーズ完結かと思われた。それから4年。新主人公を迎えて新章がスタートするというから驚いた。しかも豪快なアクションが売り物だったシリーズが、コマンド式RPGになるという。今まで築き上げてきたものを壊すのか。ネット上などでは不安の声もささやかれた。

 新主人公の「春日一番」は、風俗街で出まれた孤児。半グレ同然の少年時代、ある事件で恩義を受けた極道組織の組長のもとに身を寄せる。その後、兄貴分の罪をかぶる形で18年の懲役。42歳で釈放された春日が外の世界で見たものは、組長の悲しすぎる“裏切り”だった―。

 豪放磊落だが義理人情に厚く、どこか憎めない新主人公が作中で幾度となく語る夢は「ドラクエに出てくるあの“勇者”になりたい」。ゲーム内で他社のタイトルを堂々と口にする破天荒ぶりにも驚かされたが、聞けば制作側が、ゲームデザイナーでドラクエの生みの親・堀井雄二氏の許諾を得てエッセンスを取り入れたとのこと。仲間を集めて巨悪に挑むプロット、地面に突き刺さる聖剣ならぬ金属バットなど、そこかしこに“ドラクエリスペクト”が見られる。

 その最たるものがコマンド式戦闘の採用だろう。これまでは敵のヤクザ相手にボタン連打でパンチやキックを繰り出すアクションだったものが、「攻撃」「防御」などとそれぞれのキャラクターに命令を入力する、ドラクエと同じ「ターン制バトル」となった。

 売り物の激しいアクションは失われてしまうのか。実際にプレーしてみると、その不安は杞憂だった。「攻撃コマンド」を入力して狙う敵を指示すると、キャラクターは自動で動き、流れるように連続攻撃。スピード感あふれる演出により、ケンカアクションの豪快さはそのままだ。ターン毎に思考時間が取れるので、次はどの敵を狙えば有利かなど、じっくり戦略を練られる利点もある。

 今作の主な舞台は横浜の歓楽街をモチーフにした「伊勢佐木異人町」。主人公の春日は、ここに瀕死の重傷を負って流れ着く。きらびやかな表通りの裏側にひそむ闇の勢力との戦いが見どころだ。風営法や安楽死の是非など社会問題に斬り込むストーリー、各所に散らばるばかばかしいユーモアも「龍が如く」らしさ全開。“そのスジの者”を集める「目指せスジモンマスター」などバラエティー精神も絶好調。主人公の名前の通り、“(社会の)カスが、一番に”成り上がっていく物語も痛快で、偉大なシリーズの名に恥じない最新作に仕上がっていた。

 ◆中井貴一、堤真一、安田顕らがCGで登場

 CG化した大物俳優を重要人物に起用することで知られる「龍が如く」。今作では極道の組長に中井貴一(58)、若頭に堤真一(55)、主人公の仲間に安田顕(46)など豪華布陣が脇を固める。健康食品のCMからは想像できない、ド迫力の“中井組長”の演技は出色だ。

 ◆「龍が如く7 光と闇の行方」(セガゲームス)PS4対応、1月16日発売、8390円(税別)。 報知新聞社