TV制作会社“ブラック”実態 ゲストのギャラ未払い、番組優勝賞品「ランボルギーニ」も届かず

引用元:夕刊フジ

 昨年1~3月にTOKYO MXで放送されたバラエティー番組で、優勝者に賞品のランボルギーニが今も届いていないことが物議を醸している。それどころか出演者にギャラも支払われず、参加者から出演料を徴収していたというから本末転倒。制作サイドの一部とは連絡がつかず、事態は混迷している。この騒動から制作会社のブラックな実態が垣間見える。

 番組は「欲望の塊」。ホストの男性たちが簡単なゲームで競い、優勝者には2000万円相当のランボルギーニ社のスーパーカーが贈られる予定だった。しかし今もスーパーカーは届いていないという。番組でMCを務めていた極楽とんぼ、山本圭壱(51)や、ゲストの俳優、小沢仁志(57)へのギャラも未払いだと判明した。

 「何よりも参加者のホストたちから店の“宣伝費”として150万円の出演料を徴収していたのです。もはや“詐欺まがい”と言われても、致し方ありません」と放送関係者は憤る。

 しかし際どい話は決して珍しくはないという。テレビ局の制作費が削減される中、シワ寄せが現場に出ているのだ。

 「出演料を値切るのもADの仕事。予算がないから1万円でお願いしますと出演者サイドに頭を下げますが、他局では5万円もらったと言われます。最後は3万円で着地させます。そうしないと、自分の給料が出ないんですよ」(制作会社AD)

 現場からはこんな声が漏れてくる。

 「会議で、制作会社が提出した企画にケチをつけて、机上の空論の無理難題を提示した上に、責任は制作会社に押しつけるんですからひどいものです」(制作会社ディレクター)

 逃げ出したいと取引先にSOSを漏らすADまでいるので考えものだ。

 「収録現場でADにも名刺を渡したら、後日、転職相談の連絡がきました。コンプライアンスを守りつつ、面白い過激なものを求めるテレビ局側の朝令暮改方針に翻弄されて、出演者サイドとは最初の話と違うとクレームが入り、板挟みになって鬱病になったそうです。別の業界に行きたいというので、他の業界の求人企業を紹介しましたが、面接日に連絡もなく姿を見せず、その後音信不通になりました」(芸能プロダクションマネージャー)

 発想を転換して悪魔に魂を売る輩もいる。

 「制作会社の別口座を作ったり、知人の別会社を使ったりして、本来なら制作会社に入れないといけない受注費を、自分の管理下に置くのです。制作費の横領ですが表沙汰にすれば、テレビ局やクライアントの信用を失う。法的措置を執ろうにも弁護士との打ち合わせ、警察の取り調べなど時間を割けば、通常業務に著しく支障をきたすので、会社としては泣き寝入りになりがちです」と制作会社のAD。

 制作会社の闇は深い。