過去の「選択」を悔やみ涙する吉高由里子にマジでグッときた 日本テレビ「知らなくていいコト」

引用元:夕刊フジ

 【TV視てますか?】

 日本テレビの水曜ドラマ『知らなくていいコト』はまたも吉高由里子主演だ。

 吉高は6年前の朝ドラ『花子とアン』のヒロインと紅白の紅組司会を務めた後に2年ほど休息。その後、この水曜ドラマ枠で『東京タラレバ娘』と『正義のセ』、TBS系『わたし、定時で帰ります。』と年1本ペースでお仕事。すっかり“安定株”のポジションに定着したようだ。

 この流れからいって、今季の「火曜か水曜か」「TBSか日テレか」は彼女にとっての大事な選択かとも思うが、それは外野の勝手。おそらく吉高自身はそんなことお構いなし…と余計なことを考えつつ見ていたら、第2話のラスト、吉高ふんするヒロインが今、振り返れば重要な岐路をかつて「選択」してしまっていたことを悔やみ、さめざめと泣いていた。大石静のオリジナル脚本。この場面、けっこうグッときた。

 吉高は一流週刊誌の特集班記者。手がけた記事を1話は編集長(佐々木蔵之介)、2話ではデスク(山内圭哉)に「いい記事だった」と褒められる。見ているこっちもうれしい。毎回のお決まりであってほしい。

 いわゆる「お仕事ドラマ」でが、恋愛模様も大事な要素。未婚で吉高を育て上げた映画翻訳家の母(秋吉久美子)が倒れ、「あなたの父親はキアヌ・リーブス」と言い残して急逝(なかなか意表を突いたツカミ)。遺品から父親が殺人犯(小林薫)かもしれないと知る。そのことを編集部の後輩のフィアンセ(重岡大毅)に打ち明ける。構わないと言っていた重岡が後日「やはり無理」と。

 吉高は元カレの動物カメラマン(柄本佑)の部屋を訪ねる。かつて柄本が殺人犯の娘かもしれないと知りつつ構わずにプロポーズしてくれたことに思い至る。

 〈なんであのとき気づかなかったんだろう。なんでこの人を捨ててハル君(重岡)に乗り換えたんだろう…〉。そして〈時間よ、戻れ〉とも。

 時間は戻らずとも、柄本の“心優しき二枚目ぶり”は続いてほしい。(新橋のネクタイ巻き)