ルパン「いつも優しく」、次元「斬鉄剣も泣いている」 石川五ェ門声優・井上真樹夫さん悼む

引用元:スポーツ報知

 アニメ「ルパン三世」の石川五ェ門役(二代目)で知られる声優・井上真樹夫さんが11月29日に80歳で死去したことを受け、次元大介役の小林清志(86)、ルパン三世役の栗田貫一(61)、三代目・五ェ門役の浪川大輔(43)が3日、アニメ公式サイトなどに談話を寄せた。

 アニメ「ルパン三世」に最も長く携わってきた小林は、あらゆるものを切り裂く五ェ門の名刀「斬鉄剣」を挙げ、独特の表現で悼んだ。「五ェ門おまえもか! 残されたのは不二子ちゃんとオレ次元と二人だけになっちまった。斬鉄剣も泣いている」

 同年代だった井上さんの人柄については「なかなかの文学青年だった。若いころはお互い貧乏で『靴が欲しい、わたしの靴が欲しい』と言うので、当時軍靴みたいな靴をあげたのを覚えてる」と回顧。「晩年は作務衣姿で下駄ばき、海岸沿いの街から通っていた。アタマボウズで禅の坊さんのような風貌になった。いつも凛(りん)としたたたずまいだった。五ェ門そのもののようだった」と結んだ。

 栗田は1995年の映画「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」から“ルパン・ファミリー”入り。「私の中では(銭形警部役の)納谷(悟朗)さんが親父で、小林さんが叔父さん、井上さんは親父兄弟の中で一番齢の若い叔父さんと、とても安心で守られている思いでした」と振り返り、「いつもいつも優しくしてくれた素晴らしい大先輩でした」と悼んだ。

 2011年に井上さんから五ェ門役を受け継いだ浪川は「寡黙で少し不器用で、情に篤(あつ)く仲間想(おも)いの侍、石川五ェ門。モンキー・パンチ先生が生み出し、井上さんが魂を吹き込んだ魅力的なキャラクターのことが、一人のファンとして大好きでした」と思いをつづった。これまで、井上さんが演じた作品を見返すことが「私の道しるべ」だったという。「これからも栗田さん達と力を合わせてルパン三世という作品をファンの皆さんに届けていきたいと思います。どうか、見守っていてください」と大先輩に活躍を誓った。

 ◆斬鉄剣 石川五ェ門の愛刀。6日公開の初3DCG映画「ルパン三世 THE FIRST」では「隕石(いんせき)を鍛えて作った」とされているものの、シリーズ内では様々な由来が存在する。統一されているのは「この世に切れぬ物は無し」という設定と、白鞘(さや、白木で作った刀剣の鞘)であること。「ルパン三世」以外でも「鉄を斬り裂くほどよく切れる刀」という意味で使われ、人気ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズでは、攻撃の技の一つとして登場する。

報知新聞社