イギリスのメンタルヘルスの専門家は、子供のマイクロトランザクションを制限すること
をパブリッシャーに望んでいる。ギャンブルとの関係性が疑われるためだ。
イギリス国民保健サービスのメンタルヘルス部門の局長であるClaire Murdochは、「公平
で現実的な限度額」をルートボックスに導入し、「獲得できるアイテムの入手確率」を事
前に消費者に表示することをパブリッシャーに求める報告をした。
この報告書では、ビデオゲーム業界の代表者たちに本気で改善に取り組むようにも求めて
いる。「ゲーム業界は潜在的な害からプレイヤーを守るという責任を背負っている」、「
ゲームを遊ぶことでの長期的な影響についての独立した研究を支援するため、業界から支
出をする」といった内容だ。
「ルートボックスのコンテンツによってギャンブルを子供たちに紹介し、彼らをギャンブ
ル依存にさせてしまうことなど、ゲーム会社は行うべきではありません」。Murdochは話す
。「ゲーム会社は獲得できるものが運で左右されるルートボックスを子供に売るべきでは
ありません。このルートボックスビジネスは終わりにするべきです」Murdochの報告書ではゲーム会社に対して、レーティングで定められた対象年齢に満たな
いプレイヤーがゲームを遊ぶのをより厳しく取り締まるように求めている。ゲームの内容
を確認せずに子供たちにMature(18歳以上)のゲームを与えているイギリスの親は全体の
半数に上るということや、親の知らないうちに子供がマイクロトランザクションを行う事
例もあったことにも言及している。
これは国民保健サービスがゲーム依存症のためのクリニックを開設してから3カ月後の出
来事であり、世界保健機関(WHO)が2022年からゲーム障害は病気と分類されると2019
年に発表してからは1年足らずである。
これから最大で15カ所の新しいギャンブル依存症クリニックがイギリスで開設される予定
であり、ソーシャルメディアやビデオゲームに関連した理由でメンタルヘルスに問題を抱
えている13歳から25歳までの人々が対象となっている。
「若い人々の健康が脅かされています。国民保健サービスは我々の長期計画によってこれ
らの革新的な医療サービスを多くの家族に提供し、この問題に立ち向かおうとしています
。しかし、私たちだけでは力が足りません。危険を減らし、子供たちが幸福でいられるよ
うにするために、自分たちでできることを社会の人々が行っていく必要があります」と
、Murdochは述べた。
世界保健機関は2018年に、国際疾病分類を26年ぶりに更新する計画を発表し、それによ
り彼らは「ゲーム障害」と「ゲームの危険な使用」を病気として扱えるようになった
。2019年8月には、ソニー、任天堂、そしてマイクロソフトがマイクロトランザクション
に関する新しいポリシーの作成に取り組むと発表されていた。 Petey Oneto
ゲームが子供にギャンブルの習慣を生み出す、イギリス国民保健サービスのメンタルヘルス部局長が懸念を示す
引用元:IGN JAPAN