「お姉チャンバラORIGIN」レビュー

引用元:Impress Watch

 ディースリー・パブリッシャーは、プレイステーション 4用ハイスピード血みどろ剣戟アクション「お姉チャンバラORIGIN」を12月5日に発売する。本作は、2004年に発売された「THE お姉チャンバラ」と、その続編の「THE お姉チャンバラ2」にあたるエピソードを1つにまとめ、フルHD映像でリメイクしたシリーズの最新作。ハイスピード剣戟アクションの爽快さはそのままに、従来の物語に新たな解釈が加えられ、キャラクターのグラフィックスもアニメ調に一新と、まさにシリーズの15周年にふさわしい集大成の一作に仕上がっている。

【この記事に関する別の画像を見る】

 そのダジャレのようなタイトルにグロテスク描写も相まって、筆者はこれまで本シリーズを敬遠していたが、本作のテストプレイを始めてすぐに過ぎ去った年月を後悔した。セクシーなビキニ美女が「屍霊」と呼ばれるゾンビをバッサバサ斬りまくる、という設定だけ聞くとB級映画のようだが、実際はシリアスな物語と爽快なアクションが絶妙なバランスでマッチしており、プレイ感触はAAAクラスのアクション大作に勝るとも劣らない。

 今回のレビューでは、主人公をはじめとした愛らしいキャラクターや、簡単操作で誰でも楽しめるアクションを中心に、本作の魅力をお伝えしていきたい。

■爽快感が際立つ血みどろアクションが楽しい!

 「お姉チャンバラORIGIN」では、□ボタンで刀を使ったメイン攻撃、△ボタンで飛び道具や蹴り技などを繰り出すことができる。オープニング後すぐにゾンビがわらわらと群がって襲ってくるが、基本的にはボタンを連打するだけでコンボを出せるので、誰でも簡単にゾンビをズバズバと斬り捨てられるのが爽快だ。また、本作の特徴として、敵を斬るたびに血が噴き出し、主人公の彩もゲームの画面もどんどん血に染まっていく。これがまた何とも言えないカタルシスを生み、次から次へとゾンビを斬りたくなってくるという危ない思考に、いつの間にか陥る。少なくとも筆者は、30分もしないうちに陥った。

 ザコ敵との戦いでは確かにボタン連打でどうとでもなる場面が多いものの、ボス戦ではR2ボタンでの回避や、敵の攻撃のタイミングに合わせて〇ボタンでの「パリィ」(弾き)を駆使しないと、なかなか勝機を見いだせない。ザコはサックサクで斬り倒し、ボスは隙を見極めてじっくり攻略する。そんな爽快かつ緊張感のある戦いを手軽に味わえるのが「お姉チャンバラ」だ。そう、筆者のような初心者の方こそ本シリーズのタイトルに惑わされてはいけない。彩のセクシーダイナマイトなボディについつい目が眩んでしまうが、これは至って真面目な作りのアクションゲームなのだ!

 とはいえ、エロい姉ちゃんに期待して買ったけど、アクションは苦手……という読者の方も中にはいらっしゃるだろう。そんな方も心配ご無用! 本作は各チャプターをクリアすることで先に進めるが、クリア時には倒した敵の数やクリアタイムなどに応じて経験値が溜まり、レベルが上がる。その際に得られるポイントで主人公を強化することができ、クリアしたチャプターは何度でも挑戦できるので、いわゆるレベル上げも可能だ。

 また、いつでもどこでもメニュー画面からショップに入って回復アイテムを購入できるため、どうしても勝てない場合はアイテムでのゴリ押しもできなくはない(その分、お金は必要だが)。テストプレイした限り、難易度ノーマルならアクションゲームの初心者でもかなり快適に遊べるため、安心して彩のエロボディを堪能しつつ、爽快なアクションを楽しんでほしい。

■エロカワイイ姉妹とシリアスな物語の対比にも注目

 主人公・彩と妹の咲を中心に織り成すシリアスな物語も、本作の見どころのひとつ。彩は殺された継母の仇を取り、生き別れになった父と妹を探すため、屍霊ハンターとして旅を続けている。一方で、妹の咲は最愛の母を父と姉に殺されたとそそのかされ、彩への憎悪を募らせる。ダジャレのようなタイトルからは想像もつかないようなシリアスなドラマが、本作では展開されるのだ。

 物語の前半では、彩と咲の複雑な姉妹関係が描かれ、やがて訪れる避けられない戦いがひとつの山場となる。グラマラスボディを惜しげもなく披露する彩もたまらないが、咲も制服+ニーハイ+口が悪いという最強の組み合わせで筆者の性癖をごりごりに刺激してくる。両者ともに甲乙つけがたく、正直どっちを応援していいか全然わからん! 状態になるのは、きっと筆者だけではないはず!

■「暴走」と「忘我」で戦闘は更なる高みへ!!

 彩と咲は屍霊の返り血を浴びることで「穢れ」が溜まっていき、この穢れが最大になると「暴走」状態となって、防御力が低下する代わりに攻撃力が向上する。シリーズ伝統のシステムだが、見た目がいわゆる黒ギャルに変わるうえに、通常攻撃が効かないゾンビにもダメージが通るため、積極的に狙っていきたいところだ。と言っても、何も考えずとも敵を片っ端から斬り捨てていけば自動的に発動するので、今までどおり視界に入ったゾンビを血祭りに上げていけば問題ない。

 そして、暴走状態で攻撃を続けていると、本作ではさらに究極の戦闘形態である「忘我」状態へと姿形が変わる。この状態では攻撃力がさらに上昇し、敵の攻撃を受けてもひるまなくなる一方、体力が徐々に減少するデメリットがある。とはいえ、忘我状態では敵に攻撃すれば体力は回復するし、攻撃して穢れを溜め続けていれば忘我を長く維持できる。つまり、リスクを恐れず敵を攻め続ければ、実質デメリットなどないのだ! まさに攻撃は最大の防御を地で行くシステムなので、ボス戦で発動した際の爽快感も半端ではない。ビジュアル的にもエロカッコよく進化しているので、シリーズファンもぜひ楽しみにしていてほしい。

■咲ちゃんも参戦! 異なる立ち回りを楽しもう

 ビキニ美女は本シリーズのシンボルでもあるが、筆者としてはやはりニーハイ美少女の咲ちゃんを改めて推したい。主人公の妹である咲は物語の途中から操作することが可能となり、方向キーの上下で簡単に操作キャラを変更できる。咲は愛らしい見た目に反して口が悪く、背丈に合わない大太刀を振り回す姿も、とてもイイのだ……。

 本作ではスタンした相手に□+×ボタンで「クールフィニッシュ」という必殺技を決められるのだが、姉の彩が回転切りというオーソドックスな範囲攻撃なのに対し、妹の咲は投げ技の単体攻撃を仕掛ける。せっかくの刀を使わず、敢えて肉弾戦に持ち込むのが見た目とのギャップも相まって、もう最高なのである。通常攻撃も姉は二刀流に切り替えが可能だったり、妹は手甲での格闘攻撃ができたりと、それぞれに特徴があるので、交互に切り替えながらの操作が実に楽しいのだ。

■個性的なキャラクターとアクションを楽しむシリーズの集大成!

 本作はCERO Zの作品ではあるものの、切断面がそこまで生々しくないため、正直グロテスクな描写が苦手な筆者でも、すんなりと受け入れられた。意外と言うと失礼かもしれないが、キャラデザに反して中身は硬派かつ軽快なアクションゲームに仕上がっているので、万人が気持ちよくプレイできる作品だと感じた。また、本作では主人公の姉妹以外にも、敵味方を問わず個性的なキャラクターが登場するため、戦闘中に繰り広げられるキャラクター同士の会話劇も面白く、ゲームとしての完成度を高めている。それはもう、CERO Zの規制が勿体ないほどであり、もっと多くの方に彩と咲の魅力を知ってほしいというのが筆者の本音だ。

 グロ描写が苦手でプレイしてこなかったという方も、シリーズファンの方も、ゾンビをバッサバサと斬り捨てていく爽快感あふれるアクションと、お姉ちゃん(+妹ちゃん)のエロ可愛さに溺れていく背徳の蜜の味を、ぜひともご堪能あれ。

©2019 TAMSOFT
©2019 D3 PUBLISHER

GAME Watch,アソウ★タロウ