長渕剛「全快しました」と完全復活を宣言、２１年ぶり主演映画あいさつで元気な姿

　シンガー・ソングライターの長渕剛（６３）が１８日、東京・ＴＯＨＯシネマズ日比谷で２１年ぶりの主演映画「太陽の家」（権野元監督）の舞台あいさつを行った。

　登壇前から熱気でムンムン。ライブ会場さながらの、割れんばかりの「ツヨシ」コールに迎えられた。

　急性腎盂（じんう）腎炎による緊急入院のため、先月２３日の同映画の完成披露を欠席。同１７日のシネマ＆ライブツアー最終公演（千葉・舞浜アンフィシアター）以来３０日ぶりの公の場で、“完全復活”した姿を見せ付けた。

　「ツヨシおかえり」「棟梁（とうりょう）おかえり」の声を受け、長渕は「心配かけちゃったんだけど、もう全快しました。雨雪の中、こんなにたくさん来てくれてね。みんなと早く会いたかった。とってもうれしいです」とあいさつ。やまない大歓声に「コンサート会場じゃないんだから、ちょっとは考えろよ！」と笑みがこぼれた。

　「英二」（９９年）以来の映画主演作。神業的な腕を持ち、人情味の厚い大工の棟梁・川崎信吾を演じた。「クランクインからクランクアップまで約１か月、生活するみたいなことですから。非常に愛に満ちた現場で、笑いも非常にあった。撮影が終わった時には寂しかったし、幸せだったですね」と感慨深げ。「寝ても覚めても『太陽の家』『太陽の家』『太陽の家』の毎日でしたので、思いもひとしお。ここからがスタートだなと思っています。ここからスタートして動いていく。（心境としては）とってもうれしいですね」と話した。

　今作のために、永山瑛太（３７）らキャスト、スタッフも団結。長渕はその心意気がうれしかった。「昔は（映画業界も）かなり保守的だった。新参者の意見を聞かないとか、監督権威主義とかだったりした。今回は、そういうのが一切なかった。照明や録音、カメラ、６０数名それぞれが『俺たちはこういうものを作るんだ』というのを、根底に持っていた」と賛辞。「待ち時間が苦にならなかったし、優しさを感じた。その成果が出ていると思う」と自信ものぞかせた。

　劇中では「愛と信念」をテーマに家族への愛、大切な人への愛を描くが、撮影期間中に、一番「愛」を感じていたのは長渕自身だった。「これだけ愛をもらったんだから、キャストを含めた６０数名みんなにラブレターを書こうと思ったんです。そうして書いたのが、主題歌の『Ｏｒａｎｇｅ』という曲だったんです。みんなの顔が見えたので、早くできましたね」。「約７０日、みんなで一緒に走って作り上げました。この時代に、この映画がどう映るのか。皆さんの心の中に、小さな明かりでも灯（とも）ったら（うれしい）」と願った。 報知新聞社