ラルフローレンにも影響を与えた『ダウントン・アビー』の貴族ファッション<写真24点>

引用元:Movie Walker
ラルフローレンにも影響を与えた『ダウントン・アビー』の貴族ファッション<写真24点>

2010年に放送が開始されると6シーズンにわたって続き、ゴールデングローブ賞、エミー賞など輝かしい受賞歴も持つ人気ドラマ「ダウントン・アビー」。そのファイナルシーズンから数年後を舞台としたシリーズ初の映画『ダウントン・アビー』が公開中だ。

【写真を見る】『ダウントン・アビー』を彩る絢爛豪華な貴族ファッションをまとめてチェック<写真24点>

本シリーズは、1910~20年代のイギリスはヨークシャーの架空の大邸宅「ダウントン・アビー」を舞台に、当時の史実や社会情勢を背景にしながら、伯爵一家と使用人たちの複雑な人間関係を描いていく。愛憎入り交じる人間ドラマはもちろんのこと、人気を獲得した要因の一つが、徹底的なリサーチの元に再現された絢爛豪華な20世紀初頭の貴族ファッションの数々だ。

そのことを裏付けるかのように、ロケ地となったハイクレア城でイベントが開かれれば、1920年代のファッションに身を包んだダウントニアンと呼ばれるファンたちが殺到。また、ファッションブランドのラルフローレンは2012年秋冬コレクションのテーマにこのドラマからインスパイアされた「ダウントン・スタイル」を掲げたりと、様々な影響を及ぼしているのだ。

映画版では、ドラマ版以上に華やかな衣装たちが代わる代わる登場する。舞踏会のシーンでの細かなあしらいが随所に施されたドレスから、個性的な羽根飾りの付いた帽子、男性陣が身につける三つぞろいのスーツなど、色味もシックでこれぞ貴族といった上品なファッションの数々には、自ずと目と心を奪われてしまうはず。

ドラマの第5シーズンから作品に関わり、映画版でも衣装デザインを担当しているアンナ・メアリー・スコット・ロビンスは、テレビ版より時間があったため、より色彩に気をつけたのだそう。セットの色味や景観との相性を気にし、ヴィンテージの生地を手に入れるとそれを自ら染色したと言うから、そのこだわりには驚かされてしまう。そんな彼女のお気に入りは、ミシェル・ドッカリー演じる一家の長女メアリーが舞踏会で着るドレス。フランス製の生地でモスリンにビーズがついたきらびやかな一着となっており、劇中でも特に目を引く衣装となっている。

時代性を損なわないため、博物館やヴィンテージマーケットを巡り、カットや構造を徹底的に調べるという底知れない努力の結果生み出されている衣装の数々は、第22回衣装デザイナー組合賞にもノミネートされており、作品の魅力を十二分に引き立てている。ぜひスクリーンを通して、貴族社会の華やかな世界観に酔いしれてみてはいかがだろうか。(Movie Walker・文/トライワークス)