劇団EXILE、メンバー総出演で「過去イチキャラが濃い舞台」! 『勇者のために鐘は鳴る』まもなく開幕

引用元:TOKYO HEADLINE WEB
劇団EXILE、メンバー総出演で「過去イチキャラが濃い舞台」! 『勇者のために鐘は鳴る』まもなく開幕

 劇団EXILEが注目されている。「LDH PERFECT YEAR 2020」の今年、劇団EXILEは全員で原案プロデュースし出演もする初めての舞台『勇者のために鐘は鳴る』を上演する。テレビや映画、舞台、音楽、小説……さまざまなフィールドで活躍する9人による全力の舞台が、まもなく開幕する。本番に向け、稽古に励むメンバーに聞く。

【劇団 EXILEの稽古場を直撃!】

 EXILE、三代目 J SOUL BROTHERSなどが所属するLDHは今年、3回目のパーフェクトイヤーとなる「LDH PERFECT YEAR 2020」を展開している。昨年大みそかに行われたカウントダウンライブで幕を開けたパーフェクトイヤー。19日には「EXILE PERFECT LIVE 2001→2020」がスタートし、加速する。

 登場が24日に迫ってきたのが劇団EXILEだ。舞台『勇者のために鐘は鳴る』が、東京の赤坂ACTシアターで幕を開け、大阪の梅田芸術劇場でも公演を行う。青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、SWAY、八木将康、佐藤寛太のメンバー9人全員で揃って出演する初めての舞台。「いろんな方にチャンスをいただいて、ACTシアターでやらせてもらうのも、すごい光栄なこと。9人で初めてやる舞台。これだけ一緒にいて初めて一緒にやるので楽しみながらやりたい」と青柳。

「劇団EXILEの舞台公演で、過去イチ、キャラクターが濃い舞台になりそう」と言うのは秋山だ。

 登場するのは、オンラインゲームの世界に入ってしまった世代や考え方、バックグラウンドも異なる9人の男たち。元の世界に戻るために、勇者となってモンスターを倒しながらゴールを目指す。ただ、そこには、彼らに大きな影響を与えたある出来事も絡んでいて……という、爆笑も涙もアクションもある物語で、ゲームを題材としているだけに“没入感”もある。

 青柳、八木、小野塚、そして佐藤がゲーム好きで、チャットしながら一緒にオンラインゲームを楽しんでいるというのはファンのあいだでは知られた話。舞台の始まりはそこかと思ったが、どうやらそうではないらしい。

「ゲームの中の世界にすれば、いきなり歌いだしたり踊りだしたりしても成立するというか、面白いカタチで受け入れられるんじゃないかと思ったんです」と佐藤。

 小澤も「何でもできるって重宝していた部分でもあるんですが、何でもできると自由すぎて何もできないみたいなところもあるので、そこを、みんなで話をしながら乗り越えましたね。どんなゲームをするのか、それよりオンラインゲームを知らない人にも分かりやすく説明するにはとか……」と振り返る。

「アイデアを出すのは楽しいゾーンなんです」と、SWAY。「いろいろなアイデアを秋山さんがまとめていただいて、それを何回も重ねていく。そのあたりは、苦しいゾーン(笑)。そこを脱して稽古が始まって、また楽しいゾーンに入ってきたところ」。

 小野塚も「舞台に立って、みんなに喜んでもらえるような、笑ってもらえるような場所も見えているので、台本と自分たちの個性をもっとよく知れば、終わる前には何百倍にもなるだろうなって思います」と、自信を見せる。

「9人各々が作り上げようとしているキャラが全員濃い」。さらに「みんな現実世界で悩みを抱えている。欠陥を抱えているキャラクターがゲームの中で成長していくんです」と、秋山は言う。サラリーマン、中学生、わけのありそうな兄弟、そもそも国境を飛び越えていたり……オンライン上のダイバーシティが舞台の上に凝縮される。

「勇敢で果敢に攻めていく怖いもの知らずな役柄です。僕自身も何事もチャレンジするタイプではあるので、そこは重なる」と鈴木。

 メンバーはそれぞれ自分のスタイルで役にアプローチして、稽古をしながら、9人でそれぞれのキャラクターを作りあげている。よく目や耳にする「役作り」や「役に入り込む」のとはまた違う、この作品にあったやり方だ。

 SWAYは作るっていうのはちょっと違うかもとつぶやきならも「自分と演じる役はそんな距離がないなって思うんです。寄せて作った役ではないんですけど、共感できる部分がたくさんある」と言い、キャラクターが台本の上で「好きだ」とあげている歴史や落語を「掘っている」のだそう。 

 演技するうえで「考えること」を大事にしているという町田は「今回も終わるまでずっと考えていると思います。この役は……いろいろ考えるところがあると思う」と、少しだけ神妙な顔つきだ。 

 正直なところ、どのキャラクターも気になるがやっぱり一番は、昨年の製作発表で「飛び道具」「ステージの端から端まで飛ぶ」といった、本当なのかどうか判断しがたいフレーズが飛んでいた八木のキャラクター。実際にどうなるのか聞くと「クスッとできます……クスッとしていただきたいなあ。鈴木君がめちゃくちゃ言ってますから。“将康さん、お願いしますね”“将康さんにかかってますよ”って(笑)。本当に頑張らないと」

 本番に向け、本格的な稽古が始まった。佐藤は「2018年ぐらいからずっと、みんなで集まって会議してっていうのを何度も繰り返してきました。稽古が始まったのは詰めの段階、作品を作り“上げる”ところまできたんだなという思い」と話す。

 舞台は6年ぶりという鈴木。久しぶりに舞台の稽古場に入って、懐かしさを感じつつも「いよいよ始まる」と気持ちが引き締まったという。「初めて全員で本読みをした時、笑いが絶えないような舞台になりそうだなと思いました。一人ひとりが演じているキャラクターが立つような舞台になるということが確信に変わって、みんなで板の上に立つのが楽しみになりました」。

 鈴木が「劇団EXILEの宝」と言い切る八木は、稽古場を「本当にホーム」と語る。「やっぱり他の舞台の稽古をやる感じとはまったく違う。本当にホームなので、本当に自由。間違えたことをやってもみんなが笑ってくれるし、こうしたほうがいいんじゃないっていうのも言いやすい。だから、どんどん良くなっていくと思うんです。キャラクターも、作品も。今、稽古がめちゃくちゃ楽しいし、そのなかで重ねながら、見えてくるものがあります」

 町田もまた久しぶりの舞台。「7年ぶりなので、最初は本当に探り探りやっていました。ただ、舞台はみんなで作り上げるもの。普段接している劇団EXILEのメンバーだからこそできるテンポのいい会話だったりを出したい」と意気込む。

「安心」「アットホーム」とメンバーが口を揃える稽古場だが、それぞれが持ち込む刺激や発見もあるという。

 青柳は「各々、外の現場を経験してきていろんな台本を見てきたからで、だから……台本についてうるさくなってる」と優しく笑い、ミステリアスな自身の役も含め「話し合いながら、自分が作っていくところは自分が作っていく。台本に書かれてないところは自分の役として埋めていかなければいけないので頑張りたい」と話す。

 9人で作品の総仕上げにかかる。初日となる24日まであと少しだ。見どころは全部だと答えられたが、あえて聞いてみると……。

「ガヤガヤワチャワチャ何をやっているんだろうという見方をする方もいるかもしれないですが、そこにはちゃんと理由が、ストーリーがあって。バカをやってるけど物語があるじゃん!って思ってもらえると思うんだよなー」と八木。

 鈴木は「今まで見せたことがないエンターテインメントの形を見せていけると思います。来て下さる方は相当楽しんでいただけると思います」とニヤリ。

 小野塚は「今の劇団EXILEができる全力プレーを見てもらいたいですね。今できる、全力の9人の姿、ストレートな思いを見てもらいたい」と話した。

 この舞台は劇団EXILEの新たな一歩。秋山は「第2弾、第3弾っていうのもあるかもしれないですが、個々の活動があるのが大前提ですから、それにあったやり方でいいと思うんです。例えば、プロジェクトが別れて、このメンバーがやる劇団EXILEのプロジェクト、というように、いろいろあっていい。それで、劇団EXILEのことを多くの人に知ってもらえればと思います」という。

 ここから劇団EXILEの活動はさらに広がっていきそうだ。

 1月24日から2月2日までTBS 赤坂ACTシアターで、2月13~16日まで梅田芸術劇場メインホールで上演。

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)