テレ朝「ポツンと一軒家」がウケる理由 NHK番組でテレ東名物Pが明かした答え

テレ朝「ポツンと一軒家」がウケる理由 NHK番組でテレ東名物Pが明かした答え

【テレビが10倍面白くなるコラム】

 正月三が日のNHK「新春TV放談」は、各放送局のアナウンサーやプロデューサーが垣根を越えてテレビについて語り合うトークバラエティーで、毎年の注目は「人気番組ランキング」だ。視聴率ではなく、10~70代の視聴者に「どの番組が好きだったか」「どの番組をよく見たか」をアンケートするもので、前の年に実際に楽しまれていた番組がひと目でわかる。

 この2日の放送で発表された「2019年のバラエティーランキング」の上位は、1位「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)、2位「水曜日のダウンタウン」(TBS系)、3位「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)だった。「ポツンと」は前年の25位からの大躍進で、その理由をテレビ東京の名物プロデューサー佐久間宣行が解説したのだが、さすが制作現場のプロは見ているところが違った。

「とにかくスタッフが丁寧なんですよ。一般の方に対する接し方が、今までのテレビバラエティーで一番丁寧です。スタッフ同士の会話も敬語で、そこの徹底的なマナーができてて、そこが気持ちよく見れるというのが、(人気になった理由として)結構あると思いますね」

 なるほど、「ポツンと」を見ていてほんわかした気分になるのは、一軒家の住民たちの心豊かな穏やかな暮らしぶりだけでなく、作り手の真面目さがにじみ出ているからだったのだ。

 このランキングの4位以下を見ても、「マツコの知らない世界」(TBS系)、「開運!なんでも鑑定団」「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京系)、「ブラタモリ」(NHK)と、好感度の高い出演者が上手に素人をもり立て、ふざけ過ぎない番組が並んでいる。

 いまは、こうしたシニア世代が“見ごこち”がいいと感じるバラエティーが、人気となり、長く続いているらしい。三流芸人が半裸でバカ騒ぎしたり、素人いじりで下品な笑いを取ろうとする番組は嫌われる。

 そのシニア世代がテレビで一番嫌うのがウソだ。「イッテQ」が視聴率で「ポツンと」に抜かれたのも、「クレイジージャーニー」「消えた天才」が番組終了となったのも、やらせや映像操作でシニア視聴者に逃げられたり、見限られたからだろう。若者はやらせも笑って楽しむが、シニアは許さない。

 しかし、ウソのない、丁寧で真面目なばかりのバラエティーって、面白いかなあ。

(コラムニスト・海原かみな)