テレビ局が出張敬遠し激減 芸能人の正月ハワイ取材は今年で見納めか?

テレビ局が出張敬遠し激減 芸能人の正月ハワイ取材は今年で見納めか?

 お正月のワイドショーの恒例といえば、芸能人のハワイ取材だ。毎年多くの芸能人が一年の終わりにハワイを訪れバカンスを楽しむ。

 しかし、ここ数年の間にハワイ取材に出張する番組は激減している。一体何があったのか。

「まず経費が非常にかかる割に毎年ハワイに来るのが同じメンバーばかりで、マンネリ化が否めないことです。毎年クリスマスすぎから年始3日くらいまで空港に張り込んでいましたが、現地で雇ったカメラクルーやコーディネーター、番組スタッフの宿泊代などを合わせると200万円近くかかる。コスパが非常に悪く、高視聴率も望めません。他の要因としては芸能リポーターに対する嫌気ですね」(キー局プロデューサー)

 日本を代表する芸能リポーターといえば、井上公造氏あたりだろうか。テレビ局サイドはどんな不満を抱えているのか。

「確かに空港で芸能人が来ると、率先して声を掛けてインタビューを取ってくれる芸能リポーターやベテランディレクターもいます。芸能人も知らないディレクターよりも顔見知りの芸能リポーターの方が話しやすいのでしょう。ただ、足元を見て、各番組から1日当たり数万円を徴収するつわものもいて、その“みかじめ料”がバカにならないのです。井上公造さんが長年出演している情報番組は彼の宿泊費も負担していましたが、数年前にハワイ取材をやめました。それにならってハワイ取材をやめる他局の番組が相次いでいます」(スポーツ紙記者)

■井上公造氏とTBSのみ

 芸能リポーターたちにとって、どこまでが取材で、どこまでがプライベートなのか。その境目があいまいなこともコンプライアンスを気にする上場企業のテレビ局にとって、ハワイ取材を躊躇させる遠因になっているようだ。

「例えば公造さんについて言えば、ワイキキの一等地に購入した高級コンドミニアムが2年前に完成しました。取材のためとはいえ、そこに行くための飛行機代を負担するのは経理上問題ないのかという議論もテレビ局内であったようです。現地で盛大なパーティーを開き、自分の誕生日を祝おうとする芸能リポーターもいますからね。正直、若手スタッフには今の時代、金銭的にも精神的にも、そんなことに付き合っている余裕はありません。『もう勘弁してください』というのが偽らざる気持ちです」(20代のワイドショースタッフ)

 ちなみに、今年はハワイ取材に出向いたのは井上氏のほかにTBS1局のみという寂しい結果になった。もしかしたら来年は、いよいよゼロになるかもしれない。